冬の青空

 子どもたちとバスに乗って、社会科見学。クラス一台、大田区が用意してくれる。これはうれしい。初めてのクラス旅行。不思議の国に出発だ。

 大田市場、東京港野鳥の森公園、東京国際空港(羽田空港)と回る。大田市場の巨大な建物の中を、壁伝いに下を見下ろして歩く。

フォークリフトが、水すましのようにクルクル回る、走る。

 野鳥公園で海を見る。冬の日をあびた静かな海がきらめき、海面に突き出た杭の上に鳥たちがとまっている。「あっ、水の中に首をつっこんだよ!」双眼鏡を持ってきた子どもたちが叫んだ。「どれ、先生にも見せて、あっ、翼を広げているよ」

 お弁当も食べた。子どもたちに2個ずつ渡せるような、差し入れのみかんもあってびっくり。風もなく暖かい。

 空港は、白く輝き光っていた。空へ突き抜けるエスカレーターを上っていく。飛行機が遠く霞むディズニーランドを背景に滑走路に下りてくる。

 目の前の巨大な飛行機や着陸する飛行機を見ていると、『沈まぬ太陽』の小説で読んだ光景が浮かんでくる。無事を、安全を祈らずにはいられない。