麹町で

 午後、久しぶりに麹町へ行った。永田町で乗り換えて有楽町線で一駅乗る。全教会館にいった。ガラス戸の向こうに、吉祥寺書店が本を並べていた。新年の挨拶をする。

 私の話は、2時半からでよかった。ゆっくり部屋を訪れた。女性部で作成した表題がかわいく美しい。春を呼ぶ。どなたが作ったのだろう。

 担当のKさんとしばらくお話をする。何人かが集まって、『困った親とどのようにつながるか』を語る。

 特別のことではなく、現在教えている子どもたちとの出会いや、日々の営み、保護者との対話やつながりを話し始めた。あっという間の時間が過ぎて、用意したレジメの半分くらいで、終わりとする。

 ここ10年、『様々な危機や困難、生きづらさを背負う保護者』と出会ってきた。子どもをいとおしみ、いつも丁寧に対応し、私の指導で足りないことや過ちがあれば、すぐ修正する。同時に、少しずつ、保護者自身が自分の子育てとわが子のありようを、見つめなおすことを励ましていく…、基本的にはそうした対応で保護者を支えてきた。放課後や夜の教室に、父親と母親がそろってきてくださることもあって、そうしたときは、大きな前進があるから不思議だ。

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 午前中、遠い雪国に住むI君から電話。ひさしぶりに話す。健康を回復してくれてうれしい。それから、午後の話のレジメを見た後、子どもたちの作文を読んだ。その後、読みかけの佐伯一麦の小説を一冊、読み終える。生の深いところが微かな熱い熱を持ち始めてくるから、私はこうした小説を読む。これは、人それぞれの好き好き。