あゆみ コンプレックス | 旅の空

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いかに優秀な人材であっても、通常、新卒が就職して直ぐに、いきなり重要な案件を任されたり、ましてや社を代表しての海外ビジネス出張、、、とはゆかない。

若き新人モデルあゆみは、その当たり前を飛び超え、実際に上空1万メートルを飛び、5000マイル(8000km)の海を越え、大抜擢を「実現してしまった」、、、そう、本人の知らないうちに、あれよあれよという間に。

 

しかも、僅か10日間ではあったが、シドニーでの初仕事を終えて帰国した途端、既に次なる ... assingnments ... 仕事が目白押し ... line up ... 。

あゆみを採用したエージェンシーでは、文字通り... hit the jackpot ... 大当たりくじを引いた、ようだった。

身体が資本、とはよく云ったもの。

 

雪深い地方都市に生まれ育ち、18歳で東京へ出てきたあゆみは、実はものごころついた時から既に同年齢女児より首ひとつ上まわる上背に対し、常に自分の身体的特徴を否定的に捉え「コンプレックスを感じていた」のだった。

(「みんなと同じでない自分」)はどこかおかしいのか?

(「おんなのくせに(背が高すぎる)」)と言われても、今更変えようのない既成事実、性別や身長に文句言われても、、。

 

なんたる悲劇。

ほんの少しだけ、他の娘たちより背が高いことが、「いけない」「受け入れられない」了見の狭い世間。

そんな世俗的で無謀な言葉と無知さ加減に、若い10代の娘へいかほどのこころの痛みを与えていたことか。

 

あゆみはそのような世間の理不尽に対し言い返すこともなく、素直で従順な優しい心根だけは失わなかった。

 

因みに、あゆみの父親は日本人男性の平均身長を遥かに上まわる184cm。

対してあゆみの母親は152cm、日本人女性としてはまあまあ普通と云えるだろう。

 

あゆみ「田舎のことなんで、とにかく目立っちゃいけないんですよ。」

叶子 「あーたも背が高いなりに、身長のことで色々苦労したのね。」

 

成人女性170cmは、ヒールを履いていなくてもなぜか大柄に感じられる。

あゆみを見上げながら話しかける147cmの叶子には、あゆみの切ない気持ちがしみじみよく伝わってくる。

 

... Never judge a book by its cover ... 

「人を見かけや容姿で判断してはいけない」、、と。