ここ数年、私が感じていることがあります。それは、実は密かにライフヒストリーが流行っているのではないかということです。
特にテレビ番組で、厳密にライフヒストリーとは言えないかも知れませんが、ライフヒストリー的な発想で企画されている番組が増えていると思います。NHKの『ファミリーヒストリー』『街録』テレビ東京の『家ついて行っていいですか』テレビ朝日の『ポツンと一軒家』などです。いずれも有名人ではない市井の人の個人史を取り上げています。そして、結果的にかも知れませんがその語りの中から社会的な歴史を見ることができるということに繋がっています。私など、すわ、ライフヒストリーの時代が来たか?と思ったりしています。
一つには、市井の人の歴史話そのものが興味深いものであるということ(テレビ番組にできる位に)もう一つの別の側面は、個人史を聞くことが話す側にとって癒しになる、むしろ聞いて欲しい位である、ということがこの密かな流行を支えている要因だと思います。
ただ、ライフヒストリーには時間をかけたインタビューや調査が必要です。特にインタビューは確実に『密』になる状態です。せっかくのこの密かな流行と言えるかも知れない流れに新型コロナが水を差すのではないかと心配しています。