満州から持ち帰った食 | 沖縄旅行 その他旅行のブログ

沖縄旅行 その他旅行のブログ

2012(平成24年)からの沖縄、北海道、九州、本州の旅

 何冊か読んだ別役実読書の中に『東京放浪記』(2013年 平凡社刊)があったのですが、それを読むと、氏が東京で初めて住んだ街は渋谷だったのだそうです。https://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E6%94%BE%E6%B5%AA%E8%A8%98-%E5%88%A5%E5%BD%B9-%E5%AE%9F/dp/4582836194/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E6%94%BE%E6%B5%AA%E8%A8%98&qid=1578189591&s=books&sr=1-1

(氏のプロフィールについては『風の演劇 評伝別役実』(2019年刊)に詳しいです。https://www.amazon.co.jp/%E9%A2%A8%E3%81%AE%E6%BC%94%E5%8A%87-%E8%A9%95%E4%BC%9D%E5%88%A5%E5%BD%B9%E5%AE%9F-%E5%86%85%E7%94%B0-%E6%B4%8B%E4%B8%80/dp/4560096503

 何故渋谷に住まわれたのかと言うと、氏のご一家が満州のハルピン帰りで、ハルピンではロシア料理がごく一般的に家庭で食べられていたことから、当時ハルピン帰りの人々が多く渋谷でロシア料理店を経営していたのだそうです。サモワールとかロゴスキーといったようなロシア料理店は皆渋谷にあり、氏のご一家もハルピン時代の伝手で渋谷に住み、ロシア料理店を手伝っておられたのだそうです。そう言われてみればロゴスキーって渋谷にあった、と思いつつスーパーに行ったらちょうどロゴスキーのボルシチのレトルトパックがあったので買い、別のスーパーでビーツを安売りしていたのでビーツで嵩を増して食べました。改めてロゴスキーのキャッチフレーズを見ると『素朴なのに深く、初めてなのに懐かしい』その言葉を満州に重ねてみれば、何だかしっくり来るのです。満州とは一言も書いてなかったけれど、それって満州のイメージではないでしょうか。

 満州帰りの人々が満州から持ち帰った食と言えば餃子がまず頭に浮かびますが(そのものズバリ『餃子の満洲』だってあるしね。創始者の方は満州帰りではないそうですが)、ボルシチはじめロシア料理もそうだったんだということを、今更ながら思ったのでした。