面積の問題じゃないんです。。。 | 西宮市議会議員・たかのしん公式ブログ

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兵庫県西宮市の若手市議、鷹野伸(たかのしん)の公式ブログ。1990年(平成2年)生まれ・35才、政党無所属、現在2期目。日々、地元・西宮を奔走しています!

保育所待機児童の解消には1・2歳児の受入枠拡大が必要なこと、そのために認可保育所の年齢別定員の見直しが効果的なことを、これまでの投稿でお伝えしてまいりました。
実は、この提案は今回初めて行ったのではなくて、毎年の会派予算要望で取り上げてきた内容です。
しかし、その度に市は「既に保育室や園庭の面積基準の範囲内で可能な限りの受入れを行っている園が多く、定員の見直しによる3~5歳児の受入枠拡充が困難な状況にある」との回答を続け、前に進んできませんでした。
そこで今回、私は全ての保育所を対象に保育室・園庭の面積と定員・受入人数を調査し、「本当に面積が足りていないのか」の検証を行いました。

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こちらの資料は、保育所に求められる子ども一人当たりの面積基準を示したものです。
まず、乳児室・保育室等については、0~1歳児が3.3㎡、2歳児以上が1.98㎡と定められています。
「認可保育所の2歳児以下の人数を減らし、3歳児以上の人数を増やす」という今回の提案では、必要とされる建物面積がむしろ少なくなるわけで、保育室の面積基準は、そもそも見直しを実施しない理由になり得ないのです。
定員見直しに伴って、園舎内での配置や間仕切りの位置などには工夫が必要かもしれませんが、物理的に建物の面積が足りないわけでは決してありません。

一方の園庭は2歳児以上で設置が義務付けられているため、確かに今回の提案で必要な面積は増加します。
面積基準は2歳児以上・1人あたり3.3㎡なので、「0~1歳児を減らし、3歳児以上に充当した人数」×3.3㎡が、定員見直しにあたって新たに必要となる園庭面積です。
そこで資料の通り計算したところ、認可保育所・幼保連携型認定こども園の合計94園のうち、「園庭面積が足りないので1人も増やせない」という園は定員ベースで8園、今年度の入所児童数ベースで6園しか有りませんでした。
3歳児以上が10人以上、中には100人以上増えても園庭の面積条件を満たせるといった園も多く、園庭の面積を「定員を見直せない理由」として掲げることには無理があります。

…いや、面積が足りんからできませんって言ってましたよね??
厳しく言えば、我々の会派に虚偽の回答を続けてきたわけで、市には深く反省してもらわなきゃいけません。
全件調査したからこそ判明したこの事実、やはり当局の説明を鵜呑みにしちゃだめだなぁと改めて実感したところです。

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もちろん、定員を見直す上での課題が、面積だけではないことは理解しています。
しかし、実施できない最大の理由かのように示してきた根拠が崩れている以上、市は定員見直しの検討に正面から向き合うべきです。
これまでは、施設の新規整備に注力せざるを得なかったのかもしれませんが、待機児童を取り巻く状況が大きな転換点を迎えている今、保育所の年齢別定員枠の見直し、そして地域型保育事業所の拡充こそが、最重要の施策であると確信しています。

こうした前提のもと行った質問&答弁のやり取りを、次回の投稿でお伝えいたします!