[まさか]がやって来た
―上町断層の恐怖―

東風万里歳華新  遠い里から春風が吹いて
端気鳥声天地新  新しい年を迎えた。目出度い朝の鳥の声は春を告げ
四海洋々初日上  広々とした海に初日が昇る
波乱鶴髪酔芳醇  波乱の人生は白髪となり美酒に酔う

知人から年賀式が届いた。人生百年生き生きと。車椅子の96歳だ。
1月1日、読んでいると、午後5時頃、電灯の笠が激しく揺れる。
地震だ。テレビをつけると、慌ただしい「緊急地震速報」。
震えながらドアを開ける。阪神淡路大震災で、ドアを開けられなかった
ニュースが頭をよぎった。
エレベーターは止まる。高層難民になるな。階段を必死で駆け下りる。
慌てふためいて、ヘルメットもつけていない。
隣人と、話していたら、心が落ち着いてきた。
2018年6月18日、午前7時58分も青天の霹靂だった。
百五十センチ、39㎏の私の身体が突然、転倒した。
ガタガタ、ガチャガチャ、すさまじい揺れ。家具や、食器が飛び、割れる。
直ぐ、今回と同じように玄関に猛ダッシュ。
玄関傍の防災袋を掴んで、書いているメモ通りに行動する。一階迄、何と、遠いことか。誰も降りて来ない。
固唾を飲んで見上げると、^窓から絶叫する住民の姿が見える。
揺り返しを恐れ、防災袋の中の防寒と防雨を兼ねたコートを着る。
ブラウスと、スラックス姿、震えが止まらなかった。
ラジオはマグネチュード六・一。有馬高槻断層で発生と報じている。
歌を口ずさんでいると寂しさが胸に迫り、涙をぬぐった。
日本は巨大地震の活動期に入っていると言う。大地震は、必ず来る。
2018年6月18日の震度5強で、吹田市では2018年⒑月調査で、人的被害62人、建物被害三千百二十一件、水道、ガス、電気、道路被害も多く藤白台5丁目では避難勧告が出た。
私が住んでいた4階建ては亀裂が入り、建て替えが決定、転居した。
大阪を南北に走る上町断層の大地震発生が懸念されている。
吹田市の被害は、想像を超えるものになると言う。
2024年1月1日の能登地震は、近畿地方まで、及んだ。
痛ましい犠牲者が相次いでいる。祈りを覚える。
私の、防災の為の5年の歳月の虚しさ。避難のためのメモは、張ったまま、防災袋は埃を被っている。「まさか」は、やって来た。
1月2日、写真作家の、西條親来氏から、温かいメールを頂いた。
あなたの胸にもお届けしたい。心に響くメールを。
[この地震に気象庁は「令和6年能登半島地震」と名付けた。
地震は大阪も、かなり揺れましたね。
吹田市内は震度3弱程度かなと我が体内地震計が判断した。
能登半島の先端で発生の地震が大阪にも影響するなんて自然の威力は凄いよね。
自然の威力を有効利用方法はないのだろうか。
この地震は日本全域を揺らしていますね。(気象庁発表の各地の震度分布図参照)
そして時間を追う毎に現地の状況が解かって来る。
その状況を見ると泣けてきます。
正月早々日本人の心を揺さぶり、山を揺さぶり、海を揺さぶり、これでもか、これでもかと平和な日本を痛めつける。
神様は何処にいるのだろうか。
他人事とは思えません。日本全国どこでも起こりうると覚悟しておかなければなりません。
私にも新潟県、富山県、石川県に友人知人がいますので心配です。
現地の被災者の皆様に
心よりお見舞い申し上げます。

この現状を忘れず後世に残し災害時の教訓にして頂きたいと思い
数枚の現地写真を載せておきますので、ご参照下さい。」