2023年地球沸騰の足跡

―「地球温暖化の未来」―               

 

2023年の師走は、過ぎ去った一年のランウェイが、フラッシュバックする。

「地球温暖化の時代は終わり地球沸騰の時代が来た」

国連のグレーテス事務総長は8月、歴史に残る言葉を強調する。

世界気象機関と欧州連合の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は7月6日の平均気温は2016年8月の記録を上回って過去最高となったと発表した。

8月5日、福島県伊達市では40度を観測。

吹田市環境部環境政策室では1980年から2010年を比較、30度を超える時間は2倍だ。9月、西日本では、気温2・3度上昇。

世界でも、過去126年間の観測史上、最高値を記録、1年のうち夏が4割を占めた。沸騰し病状進む地球。

世界史に残る2023年の、自分史をあなたの胸に届けたい。

過酷な日々を生き抜いた命果てる迄の、ラストスパートだ。

未来は〝今〟何をしているかで決まる。

 地球沸騰で、世界の4人に1人が極端で危険な熱波にさらされたが、私もその一人になった。

やられた。視界が回転する眩暈、吐き気、頭痛、ベッドで終日過ごす日が続いた。周辺では救急搬送、訃報が相次ぐ。毎朝、新聞配達して頂く方と、一紙でも溜まった場合の緊急事態に備え、約束事をした。

 

 

撮影者の西條親来(さいじょうちから)氏から温かいメールを頂いた。

「写真は『瀬戸内芸術祭』でセットされたオブジェである。類い稀な地球の大気と青い海。しかし温暖化は止まらない。オブジェは、写真の右側に亀裂が入った卵のようなものが見える。オブジェの作者は、近い将来の地球を想像して製作したのでしょうか。オブジェには何の説明もない」

息を飲んだ。生命が絶滅した地球を連想させる、見事な映像だ。

日本のCO2排出量は、世界第5位。地球温暖化の加害国だ。

拙文を書いている12月7日、3月、4月、5月に飛来するはずの季節外れの黄砂が飛来。外出時に、マスクを二重にし、サングラスで目を保護、自転車を飛ばした。

「紫式部日記」「方丈記」にも記録されている黄砂、どんよりと曇った大空を仰いだ。吹田市の気温は16度。平年より高い。異常気象は続いている。

高野台のパイオニアとして60年の歳月を重ねてきた。第二の故郷、終焉の地、緑こぼれる高野台、この地に骨を埋める事になる。

入居してすぐ、未来の希望を。終の棲家前の高野台水路に67本の「ソメイヨシノ」を植樹。花言葉は優美な女性だ。

桜は自然環境の指標になる。2010年からの開花平均値は4月25日だった。2023年の開花は3月25日、一か月も早まっている。2024年の開花も記録し、読者の皆様と共に ♪さくら さくら 花ざかり♪ の日を数えたい。

米国の研究機関クライメート・セントラル発表によると「来年は更に暑くなる恐れがある」と予測している。

今という瞬間に過ぎ去った日々は、影を落としていく。

一昨年2月の、ロシアによる軍事侵攻。今年はイスラエルとパレスチナの軍事衝突。戦火で瓦礫と変わる町。汚染が進む地球。

 

「未来とは、この只今の〝今〟である」

「どんな大きな社会運動も、始まりは一人だった」

                        (マーガ(注釈)レット・ミード)

2024年がやって来る。地球の人口80億人。市民こそ環境問題の鍵を握っている。

 

 

 

注釈 マーガレット・ミード 1901~1978。アメリカの文化人類学者。

『人類学者の研究生活』の主著がある。