第12話「ゴールデンウィーク♪ その4」 | ガールフレンド(非公式)

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友輝は昨日のことを考えていた。
にゅーろん☆くりぃむそふとの発表のことではなく、その後のことを。

陽歌「みんな最高だったよ~」
くるみ「本当に楽しかったです!」
凪子「新入りもよく頑張ったな」
友輝「ありがとうございます!」
桃子「少し眩しかったですけどね」
菫「打ち上げも盛り上がるがや!」
友輝「…ん?」
凪子「どうした?」
友輝「ちょっと先行っててください」
桃子「もしかして彼女さんですか~?」
友輝「いや、違うよ。その子じゃないんだけど」
陽歌「うん。じゃあまた後で!」
友輝「はい」

友輝「椎名さーん」
心実「あ、高野さん」
友輝「来てくれてたんですね。ありがとうございます」
心実「にゅーろん☆くりぃむそふとさんの演奏のときはどうなるかと思いました。あの対処は高野さんがやったんですか?」
友輝「まあ、はい。なんかとっさに思いついたことをやってしまってうまくいったかどうか」
心実「いえ、とても機転の利いた対応だったと思いますよ。なんなら他のグループよりいい演出にも思えました」
友輝「やめてくださいよ。本当にただの応急処置ですよ」
心実「でもその応急処置が多くの人を救いましたよ」
友輝「うまいこと言いますね」
心実「お疲れ様でした。高野さんは明日は予定はあるんですか?」
友輝「えっ?いえ、ありませんよ」
心実「じゃあ…ゆっくり休めますね」
友輝「あ…そうですね」
心実「この後はみなさんと打ち上げですか?」
友輝「はい」
心実「楽しんでください。では」
友輝「さよなら~」

友輝「俺はあと二日暇だし休むつもりだったけど…でももしかしたらこれはチャンスなのか?椎名さんが俺が暇かどうか聞いてきたのも何か意味があるのか?」
そんな妄想を膨らませる友輝。
友輝「椎名さんを誘ってどこか行きたいな~」
そういって友輝はスマホをいじり始めた。
友輝「おっ!これなんかいいじゃん。でも椎名さん来てくれるかな…。いや、椎名さんなら来てくれるとは思うけど楽しんでくれるかどうか…」
そんなことをつぶやきながら次の日の予定を立て始めるのだった。

友輝「ちょっと学校行ってくる」
友輝母「今日は祝日よ?」
友輝「わかってるよ。行ってきます」

文緒「あ、高野さん」
友輝「また来ちゃいました」
文緒「今日はどういった本をお探しですか?」
友輝「明日みずがめ座η流星群があるじゃないですか。あれを見ながら他の星座なども見られたらいいなと」
文緒「そういうことですか。いいですよ。ついてきてください」
友輝「ありがとうございます」
文緒「確かこっちの方に…。ここら辺ですね。えっと…あと1日しかありませんしこれとかどうでしょうか?」
友輝「うーん…もう少しだけボリュームのあるやつがいいです。詰め込みたいので」
文緒「なるほど…。ではこれとかどうでしょう?」
友輝「ふむふむ…。これがいいです!」
文緒「ふふっ。では手続きを済ませましょうか」
友輝「はい」

文緒「はい、完了です。二週間以内には返却してくださいね」
友輝「ありがとうございます」
友輝はそのまま席に座り、本を読みだした」

文緒「調子はどうですか?」
友輝「うわっ!なんだ、村上先輩ですか」
文緒「あ、ごめんなさいっ」
友輝「いえ、ちょっとびっくりしただけです。受付にいなくていいんですか?」
文緒「ほかに誰もいませんし。ゴールデンウィークなどの連休は開館しているもののもともとあまり人は来ないんです」
友輝「でもあそこにもう一人…」
文緒「あぁ、夏目さんも私の友達ですから大丈夫ですよ」
真尋「おじゃましてます」
友輝「あ、どーも」
文緒「今このへんですか…。でも頑張ってくださいね。何かわからないことがあったらなんでも聞いてください」
友輝「ありがとうございます」

友輝「村上先輩」
文緒「なんでしょうか」
友輝「母天体ってなんですかね?」
文緒「ちょっと待ってください」
そう言うと文緒は一つの本を取り出し、友輝の隣に座った。
文緒「母天体というのは流星群を生む流星物質を放出している天体のことですね。流星物質は地球上で流星現象、まあ天文現象などを引き起こす原因となっている物質のことです。みずがめ座η流星群の場合母天体はハリー彗星、いわゆるハレー彗星ですね」
友輝「あ、それ聞いたことあります」
文緒「ここにいてもいいですか?」
友輝「え?」
文緒「あ、いえ、嫌ならいいんですけど」
友輝「いや、大丈夫ですが…」
文緒「ご、ごめんなさい、ずっと立ちっぱなしは疲れてきたもので…」
友輝「なんだ、そういうことですか。どうぞどうぞ」
文緒「ではお言葉に甘えて…」
友輝「俺も助かりますしね」
文緒の顔が少し赤くなった。

本にのめり込んでいた友輝は肩を叩かれるまで呼ばれているのが自分だということに気づかなかった。
真尋「あの」
友輝「うわっ、な、なんでしょう?」
真尋「もういい時間だと思うんですが…」
友輝「え?」
友輝が時計を見るともう閉館時間を過ぎていた。
友輝「わっ!村上先輩!」
友輝が文緒を見ると文緒は机の上に突っ伏して寝ていた。横を向いて寝ていたので友輝はその寝顔を拝むことができた。
友輝「(これが望月先輩イチオシの女の子か…)」
しかし我に帰った友輝は
友輝「そうだ!村上先輩!起きてください!」
文緒「ふわぁ…。眠ってしまいましたね…」
真尋「そろそろ閉めたほうがいいのでは…」
文緒「へ?わぁ、こんな時間!す、すみません!急いで出てください!」

文緒が職員室から出てきた。
文緒「あれ、高野さん。待っててくださったんですか?」
友輝「えぇ、まあ」
文緒「ありがとうございます」
友輝「勝手に待ってただけですよ」
文緒「私としたことが眠ってしまいました」
友輝「怒られませんでしたか?」
文緒「まあ遅れたといっても少しだったので。これも高野さんのおかげです」
友輝「いや、夏目さんがいなかったら俺も危なかったです」
文緒「過労が祟ったんですかね」
友輝「明日も会館するんですか?」
文緒「はい。ゴールデンウィークの当番なので。でも仕事ですし、なにより楽しいですから」
友輝「楽しい?」
文緒「はい。みなさんがいろんな本と出会いに図書館にきます。その仲介をしているのとなんだかとても嬉しい気持ちになれるんです」
友輝「本と出会うですか」
文緒「はい。ある本は私が知らないことを教えてくれます。ある本は自分に新しい考えを与えてくれます」
友輝「俺も新たな知識を本から教えてもらうために来たんですかね」
文緒「でも…」
文緒は一呼吸おいてこう言った。
文緒「私たちが知っていて本が知らないことだってあります。それは私たちの外側にあるかもしれないし内側にあるのかもしれません」
文緒「高野さんは明日どなたかと一緒に流星群を見られるんですよね?」
友輝「はい、そのつもりです」
文緒「でももしかしたらその人は高野さんと一緒に流星群を見られるだけで幸せなのかもしれません。たとえそれがどんなものかわからなくても私たちには感動できる『心』があります。本は私たちより多くの『知識』を与えることができますが、私たちは本より多くの『感動』を与えることができます。…一つの時間は一度しか訪れないからそれを大事にしていただきたいです」
友輝「…」
文緒「あっ、ごめんなさい。こんな話聞きたくなかったですよね…」
友輝「いえ、ありがとうございます。大切な時間を過ごしたいと思います」
文緒「ファイト、ですよ」

友輝「…といってもまだ椎名さんから返事もらってないんだよねー…」
そのとき、一通のメールが届いた。


登場ガール(☆は主役、○は初登場)
風町陽歌
江藤くるみ
黒川凪子
朝比奈桃子
蓬田菫
椎名心実
☆村上文緒
夏目真尋

あとがき
初めての文緒回です。
まあぶっちゃけると文緒と恋に落ちることはまずないと思います。
でも文緒の良さがにじみ出るような文章を書きたいですね。
夏目さんも出してみたもののあまり出番はありませんでしたね。まあいい仕事をしたとは思いますが。
文緒がセリフ中に「私たち」を連呼しますがあれは「人間」を置き換えたことばです。文緒が「人間」って表現すると怖いですしw
エレナ先輩もだそうかと思いましたが…出さなくて正解でしたね。

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(2015.2.13取得)
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