今年こそは美酒に浸るばい!! 福岡ソフトバンクの秋山幸二監督(47)が1月31日、ついに「サバイバルキャンプ」のゴングを鳴らした。きょう1日からの春季キャンプに備えて宮崎入りすると、空港では一昨年の西武、昨年の巨人に続く日本一を堂々と宣言だ。新外国人の李〓(木へんに凡)浩(イ・ボムホ)VS松田による一騎打ちとみられた注目の三塁定位置争いに、何とオーティズまで投入。かつてないハイレベルな競争舞台を設定して、秋山ホークスがいよいよ2年目のスタートを切る。

■「三つどもえ」に

 トラ年生まれの将がほえた。抱え込んでいた感情を爆発させるように、秋山監督は声を張り上げた。「今年こそはホークスが優勝を取る、という強い意志を持って戦う」。一昨年は西武、昨年は巨人。近年は同じ宮崎で春季キャンプを張ったチームが頂点に立っている。年明け以降「今年こそは」と繰り返す闘将は、宮崎空港でのセレモニーで日本一を宣言した。

 昨年は約2分で切り上げた宿舎でのミーティング。今年は10分を費やした。「向上心を持ってほしい」と切り出した秋山監督は、もう一つのテーマである「気迫」について説明した。「前面に出してやってほしい。いろいろな方法があるが、どんな形でも構わない」。手段を問わず、結果を問う。弱肉強食の世界。内なる競争を勝ち抜いた勇者のみが「3・20」のラインアップに名を連ねられることを強調した。

 サバイバルキャンプにするための環境も整えた。昨年の6人から9人に増えたA組(主力中心)の内野陣。そのうちの3人が三塁の定位置を争う。李〓(木へんに凡)浩と松田の一騎打ちとみられた戦いに、オーティズまで参戦することが判明した。「シートノックでは内野(三塁)に入れるよ。外野だけやっていると(速い打球の反応を必要とする)三塁は守れないからね」。秋山監督は明言した。

■「志」束ねるため

 オーティズは途中加入した昨季、左翼で64試合、三塁で39試合に出場した。昨秋の時点では外野専任になる方向だったが、例外なく首脳陣の2ポジション構想に組み込まれた格好だ。右ひざなどの手術明けとなる松中が現時点で開幕に間に合うかどうか微妙。20発&74打点の強打者を左翼に固定する計画も想定された中、フタを開ければ「三つどもえ」のホットコーナーバトルとなった。

 昨年は監督指針の代わりに「準備」の大切さを説いた。「それは今年も変わらないよ。ただ、今年は時間がないからね。チャンスもそんなにはないと思う」。昨年より約2週間早まるシーズンの開幕。オープン戦は10試合も少なくなった。限られたアピールチャンス。昨年は第4クール最終日(2月17日)だった最初の紅白戦が、今年は第3クールの最終日(同14日)に繰り上がった。

 競争の中で一体感をはぐくみ、覇権奪回の「志」を一つに束ねる。初めて日本一の美酒に酔いしれた1986年。当時西武の主砲だった24歳は、広島との頂上決戦でバック転宙返りを披露し、列島の度肝を抜いた。年男の舞い。2010年は頼もしい男たちの手で、空高く宙に舞う。
外野だろうと思っていたオーティズはとばっちりだと思いますが

チーム力を上げるにはチーム内の競争が必要ですからね

外野のポジション争いも激しいですし、楽しみですね

他の内野のポジションでもレギュラーを脅かす存在が出てくれば

もっとチームは強くなると思いますし、上を目指す気持ちでやって欲しいですね