どんな窮地にも動じなかったポーカーフェースも、この日ばかりは感情を抑えられなかった。会見場に現れた摂津の口角が自然と上がる。「サインしました。5倍? それに近い提示をしていただき、感謝しています」。年俸1200万円から5000万円への大幅増。約30分の交渉も球団側との“銭闘”ではなく、ほぼ査定方法の説明だったという。

 2リーグ制後の新人で最多70試合に登板。39ホールドポイント(5勝34ホールド)で最優秀中継ぎ投手のタイトルを奪い、敵なしの状態で新人王にも輝いた。昇給率は2003年和田の433%、04年三瀬の400%に及ばなかったものの、ソフトバンクになってからは最高。係数として査定に影響するレギュラーシーズン順位が03、04年はともに1位、今季は3位だったことを考えれば、和田、三瀬と同等の評価といえる。

 角田代表から「よくやってくれた。1年だけでなく来年もしっかり」と激励された右腕は「最低70試合以上登板」に加え、「防御率0点台」「0敗」「被本塁打0」と3つの「0」(ゼロ)を掲げた。
ソフトバンクになってからの最高昇給率となりましたが、当然かもしれませんね

優勝していれば、和田や三瀬も抜いていたと思いますし、今年はそれだけの活躍でした

ホークスの中継ぎは2年目がサッパリになるので、何とか前例を覆して欲しいですね