球速は落ちても、安定感は格段にアップしていた。オープン戦初先発で3回3安打無失点。5年ぶりの神宮で、高橋秀が開幕1軍を強烈アピールだ。「今年は中継ぎでも先発でもどちらでもいけるようにしておきたい」。万能型右腕が、今季への意欲をみなぎらせた。

 岩崎の2軍落ちで巡ってきた先発マウンド。絶好の機会を逃すわけにはいかない。初回は2死から連打を許すが、飯原を137キロ直球で見逃し三振。「今は球速は気にしていない。球持ちだけを考えています」。フォーム修正の成果が出た。

 以前は横手からの150キロ近い快速球が武器だったが、この日の最速は143キロ。プロ5年目の今季は下手気味にフォームを変え、球速より打者の体感速度を重視。「いかに打ち取るかですから」。時速5キロ弱の意識改革が新境地を生んだ。

 今オフは九共大の1年先輩の馬原と熊本での護摩行にも挑んだ。その成果が攻撃的な投球でもあった。「初球から思い切りいけた。内角も詰まらせられた」。究極の目標は先発と中継ぎの“二刀流”だが、最優先事項は先輩との「勝利の方程式」の確立だ。高山投手コーチは「予定の3回を投げきってくれた。今後は基本的には中継ぎで考えている」と起用法を明かした。

 馬原がWBC日本代表に選出された際は「おめでとうございます」と祝福した。「WBC組が戻ってくると1軍枠は狭くなるけど、アピールしていきます」。04年の大学選手権以来の神宮での収穫を糧に、1軍メンバーとして先輩の日本凱旋(がいせん)を出迎える覚悟だ。 
今の投手陣にはロングが出来る投手がいないですからね
高橋が安定したピッチングをしてくれば大きな戦力になるのは間違いありません
この後も同じような投球を見せて欲しいですね
神内も2軍で登板していますし、この2人がいれば楽になるでしょうね