制御不能の暴投マシンと化した。先発した新垣渚投手(28)の球が引っかかるわ、すっぽ抜けるわで、1試合5暴投の日本ワースト新記録だ。4回にはこちらもワーストタイ記録となる1イニング3暴投などで4失点。あっさり4敗目を喫してまたも今季初勝利を逃した。低調な打線も大村の一発で完封負けを逃れるのが精いっぱい。首位西武とは今季最大の8.5ゲーム差。早々と秋風が吹き付ける気配だ。

 眠っていた「暴投マシン」が、予告もなしに量産態勢に突入した。驚きのフル稼働に王監督もあきれるしかない。「残念ながらピッチングになっていなかったな」。プロ野球ワースト新記録の1試合5暴投。大荒れの新垣が、独走西武に塩を送る大失態を演じた。

 3回1死一塁、打者片岡の場面でスライダーをひっかけて暴投。これをきっかけに先制点を献上すると、勢いよくマシンが動き始めた。「スライダーを見極められた。それでもストライクをとれる球がないといけないけど…」。続く4回、シーズン25暴投のプロ野球記録を持つ暴発右腕が本領を発揮した。

 先頭の後藤を四球で出すと、細川、黒瀬、片岡に次々と暴投。プロ野球タイの1イニング3暴投を記録した。5回の前には、王監督が直接歩み寄って気合を注入。その甲斐もなく、昨年、自らも名前を連ねたシーズン4暴投のワーストタイ記録をあっさり更新した。

 王監督が「いい球持ってるのになあ」と嘆くように、普通に投げれば抑えられる。今はその「普通に」ができない。「4回は全体的に悪い流れになってしまった。ゲームをつくらなくちゃいけないのに」。今季8試合目でいまだ白星なし。11暴投で3年連続の2ケタに乗せ、一気にリーグワーストに躍り出た。

 西武に大敗して自力Vが消えた前夜。宿舎に戻った王監督は「着席」ミーティングを行った。いつもはナインを立たせたまま短時間で終わる王監督が、座らせて切々と語りかけた。それでも、流れが変えられない。「向こうは変な当たりでも人のいないところに飛ぶ。流れって怖いよな」。ここ5試合で7得点。適時打は38イニングない。金子を初の2番に起用し、4回は2死満塁で代 打本間と積極的に動いたものの、投打に繰り出す策すべてが不発に終わった。

 首位西武とは今季最大の8.5ゲーム差。背後には日本ハムも迫っている。ただ、今はよそを見ている余裕はない。「勝負の世界は厳しい。自分たちで変えていくしかないんだ」。21日の先発は10試合連続勝ち星なしのパウエル。王監督は、語気を強めてバスに乗り込んだ。 
なりを潜め始めていた暴投でしたが、見事に暴投王へと復活しました
一昨日はホールトンも炎上し、現在試合が作れるのが大隣のみ・・・
和田・杉内が帰ってきても先発が3枚しかありません
しかも打線も3番・4番が打てない・・・この流れ、変わるのでしょうか!?