また刺した! 城島に並んだ! 赤丸急上昇中の高谷裕亮捕手(26)が4回、2死一塁で日本ハム工藤の二盗をストライク送球で阻止。今季の盗塁阻止率を・409(企図数22、阻止数9)とし、ホークス時代の城島(現マリナーズ)が2004年に記録した同・452以来の阻止率4割超えを実現した。勝負の後半戦へ向け、高谷の成長は頼もしいばかり。もう、捕手をアキレス腱とは呼ばせない。

■打って守れる捕手

 逆転Vを目指すホークスに「4割男」が誕生した。日本ハムとの2位攻防戦第1ラウンドは今季8度目の2ケタ失点で大敗。わずか1日で3位に転落したが、悲観することもない。4点を追う4回、2年目捕手が自慢の肩をうならせた。

 「刺しても、チームが勝たないことには意味がないですから」。正捕手修業の真っただ中とあって、高谷のコメントは素っ気ない。とはいえ、大きなプレーだったのは事実だ。2死一塁、工藤の二盗を完ぺきな送球で阻止。そこまで2打席連続安打していた田中賢への初球、走者への警戒が薄れると思ったか、果敢にしかけてきた工藤の動きを見逃さなかった。

 今季初昇格した5日から全18試合に出場。盗塁は22度企図されて刺したのが9度、阻止率・409とついに4割の大台を超えた。ホークスの「4割超え」は04年城島以来だ。バットでもすでに2本塁打しており、打って守れる捕手として「ポスト城島」の道を力強い軌道で歩み始めた。

■片岡、栗山刺し自信

 アマチュア時代から自信の分野だった。しかし昨年は、プロのレベルを体感することで精いっぱい。「投げる時に握り損ねてバタバタしたり、全てのプレーのレベルが低かった」。2軍からはい上がって出直しのチャンスをもらった今月、大きな手応えをつかんだのが16日の西武戦だった。

 「ああ、僕にも刺せるんだな、と。ほんのちょっとだけど、ああいうのは自信になった」。2年連続盗塁王へ突き進む片岡、栗山を連続で二盗阻止。これを見て、王監督も「相手もノーマークでは走れなくなる」と本格的な正捕手修業を積ませることを決めた。

 昨年のチームの盗塁阻止率は、12球団ワーストの・188。走られ放題で球団ワースト記録をも更新し、オフには通算で4割近い阻止率を誇るベテラン的山を金銭トレードで獲得した。その的山が左ひざ痛で離脱し、代わって1軍に昇格してきたのが高谷だった。

 8日から16試合連続フル出場で10勝6敗。この日は先発マスクで初の2ケタ失点を喫した。「ミスしたシーンは寝る前に必ずフラッシュバックする。でも、切り替えはうまくやっていかないといけませんから」。今年の11月で27歳。川崎や馬原と同級生ながら、王監督は「見えないな」と外見だけはベテラン扱い? だ。シーズンも残り3分の1を切って、ぐらついていた扇の要はガッチリ固まり始めた。
片岡・栗山を連続で刺した時は、ようやく前評判通りの活躍が・・・と思いました
昨日は工藤を刺しましたし、足の速い選手の盗塁を刺すのは大きいですね
後はもう少し投手が気をつければあまり走られないようになると思います
本職の捕手としてもそうですが、バッティングもよくなってきていますし
打てる捕手としてレギュラーに落ちつきそうな活躍ですね