■コーチも若手評価

 消化イニングなどなかった。希望の見えない14点ビハインドに、席を立つファンの姿も見えた9回。1死一、三塁で長谷川はカウント1-0からの2球目、永井のフォークを右前にはじき返した。「1打席、1打席を無駄にしたらいけない。雑にしたらもったいないと思っていました」。小久保、大村に代わり7回の守備から入っていた中西と明石がつないだ好機を、得点に結びつけた。

 長谷川は2回にも岩隈のスライダーを中前に運びチーム初安打。試行錯誤の中での一打だった。「球を目だけで見ると体が突っ込む。試合前の練習から、体全体で見るイメージでやってみた」。続いて連打を見舞った松田は、零敗を免れる契機もつくる。0-15の8回1死、「ああいう時こそ大事に」と2番手青山のスライダーをとらえ左中間二塁打。するとDHで5月23日阪神戦以来24試合ぶりにスタメン出場した小斉がつなぎ、本多の適時打を呼び込んだ。

 岩隈から放った2安打も含め、チーム全8安打を25歳以下の選手が放った。本多以外は、渡されたチケットが違った面々だ。交流戦優勝翌日の23日。空路帰福した本隊と別に、東京を新幹線で出発して2軍遠征先の由宇(山口)入り。在来線も乗り継ぎ5時間以上の陸路移動だった。王監督が交流戦最大の収穫とした若手の成長は、ハングリー精神あってこそ。「たとえ負けそうな場面でも僕たちにあきらめられる打席はない」。主力級で唯一2軍参戦した松田は若手の思いを代弁した。

■連続ロードも期待

 序盤で決した試合をひとしきり嘆いた新井打撃コーチも「幸いにして、若手が結果を残した。ベテランを下げて出したところで中西もよく打ったし、明石にも数字(今季初安打)がついた。チームにとっては良い部分もあった」とうなずいた。肉体面の負担も大きい4カード連続ロードでも、若い力は推進力になるはずだ。
昨日の収穫・・・
中西のヒット、明石の今季初ヒット、完封阻止ですね
本当に久しぶりの大敗でしたが、若手は与えられたチャンスを活かしました
次代を担う若鷹の活躍が、今年は本当に楽しみで、期待したくなります
これからシーズン終盤になるにつれて
若手に与えられるチャンスは少なくなるでしょうし
少ないチャンスをものにして1軍定着に向けて頑張って欲しいですね