鉄腕が、異例の始動―。ソフトバンクの大学・社会人ドラフト1巡目指名、大場翔太投手(22=東洋大)が3日、08年の初練習で早くもブルペン投球を行った。中学時代のチームメートを相手に、立ち投げで70球。さらに捕手を座らせて、変化球も交えながらジャスト100球と、いきなり170球も投げ込んだ。1年目の目標に最低2ケタ勝利&新人王を掲げる大場。「平成の鉄腕」が「鉄腕」らしく、プロとしての第1歩を踏み出した。

 70球の立ち投げも、この男にしてみればただのウオーミングアップでしかなかった。肩慣らしを終えると、大場は迷わず捕手を座らせた。マウンドの感触を確かめるように、1球1球、丁寧に投げ込んだ。「球の回転はバラバラだったけど、気持ちよく放れた」。昨年12月の台湾遠征最終戦で2イニングを投げて以来となる投球。気付けば球数は、100球に達していた。投球後には、体全体から湯気が立ち上る。それほどまで熱のこもった、全170球の初投げだった。

 この日は午前8時30分から、東洋大野球部グラウンドで始動した。中学時代のチームメートをサポート役に、ランニング、ダッシュ、キャッチボールをこなして、ブルペンに入った。ブルペン投球では主に直球を投げ込んだが、変化球も交えた。なかでもフォークボール、チェンジアップは入念に投げ込み、変化をチェックした。大場は「本当はまだ変化球は投げない方がいいと思うけど、新しいことにも取り組みたいので。もっと精度を高めたい球でもありますし」と投球の意図を説明した。

 この時期に、早くも100球に達するブルペン投球。しかも、変化球を交えての投球に「飛ばしすぎ」との不安も抱いてしまうが「平成の鉄腕」と呼ばれる男には、しっかりとした自信がある。「去年の2月のキャンプでは、9日間で2000球を超える投げ込みをしましたからね。初日には350球放りましたし。大丈夫です」。ケロリとした表情で汗をぬぐう姿は、自信に満ちあふれていた。

 ブルペン投球後には、大学時代からの練習メニューの1つでもある坂道ダッシュも行った。約120メートルほどの距離を、7本全力で駆け上がった。サポート役だった元チームメートは3本で“リタイア”し「まだやんの?」と音を上げるほど。最後は入念なストレッチを行い、約3時間の初練習を切り上げた。

 7日に福岡入りし、8日に新入団選手発表を終えると、いよいよ10日から新人合同自主トレが始まる。大場は3日に1度のペースで同程度のブルペン投球を行う予定で、単純計算で2月のキャンプ前には合計1000球に届きそうな気配だ。「キャンプまでにはある程度、まとまった状態で入れるように(体を)仕上げておきたい。投げないと鍛えられない筋肉もある。今日はまだ軽い方ですよ」。この男は、ホークスの次代を担う資質を十分に備えている。
かなりハイペースの仕上がりだと思いますが
本人はまだ軽いって言ってますからね
さすが鉄腕ですね!!
でも、怪我だけは気を付けて・・・