今秋の大学・社会人ドラフトで1巡目指名された東洋大の大場翔太投手(22)が24日、エース道習得へ向け、斉藤和巳投手(29)への“入門”を熱望した。テレビ報道番組出演のため、この日、福岡に初上陸した右腕は「斉藤さんは理想であり、あこがれであり、目標の投手」と告白。同じ本格派右腕として、プロ通算79勝を挙げているタカエースに心構えなどを学ぶ意向だ。2月の宮崎春季キャンプで弟子入りを直訴し、次世代エースへの基礎を築く。 初めて訪れた福岡の街はまぶしかった。プロへの第一歩を踏み出す新天地に自然と気持ちが高まっていく。運命のドラフトから5日後、大場が心に描いたのは次世代エースへの道筋。その中心にはタカエースの姿がクッキリと浮かんでいた。 「斉藤さんが理想であり、あこがれであり、目標の投手です。技術面ばかりではなく、ゲームに対する闘争心など聞きたいことばかり。ぜひ、学ばせていただきたい」。ヤフードームを見ながら、日本球界を代表する右腕への“入門”を訴えた。 なかでも、注目するのは勝利を手にするまでのプロセスだ。「練習の仕方など登板までの過程を知りたい。どんな取り組みをしているのか、興味があります」。斉藤は今季、右肩筋疲労で6勝3敗だったが、最多勝に輝いた2003年の20勝から4年連続で2ケタ勝利をマーク。プロ通算79勝23敗で勝率・775を誇る右腕の「勝てる理由」を追求するつもりだ。 もちろん、机上の空論では終わらせない。大学リーグ戦33勝を挙げた鉄腕も1年時はベンチ入りさえ危ぶまれた。だが、全体練習後にシャドーピッチングなどを繰り返し、午後8時半からの野球部寮の夕食直前まで汗を流した。2年春には7日間合宿で1000球以上を投げ込み、1年先輩の永井(楽天)から心配されたこともあった。努力の積み重ねで、現在の地位を築いた。 「投球フォームの研究を含め、一番は日々の積み重ねと思う。少しずつ成長してきたのではないでしょうか」。ドラフトで6球団から指名されるまでになった理由は日々の努力だった。そんな大場の成長プロセスを踏まえれば、98年の右肩手術から、コツコツと努力し、エースにまで上り詰めた斉藤の生きざまは参考になるはずだ。 大場の“入門志願”に斉藤は「(入団が)決まったら、チームとして温かく迎えたい。プロとして言わないといけないこともあるしね。逆に学ぶこともあるかも」。エース道の伝授に前向きな姿勢を示した。 「長谷部には絶対に負けたくはない。加藤もいるし、とにかく同期で1番を目指したい」。今ドラフトで楽天に1巡目指名された左腕ら強力なライバルの存在も大場を奮い立たせる。スタートラインに立ったばかりの鉄腕は「エース」の称号へ向け、一歩ずつ前進していく意気込みだ。 (鷹見正之)大場の場合は身体能力や素質だけでなく
日々の練習で鍛えてきたという印象を受けます
妥協をしない強い気持ちがエースにとっても大事な部分だと思います
しっかり後継者として育ってくれる気がします