ブルペンで帽子を拾い上げる回数が増えた。ソフトバンク3年目の高橋徹投手(20)だ。投げ終わった瞬間に帽子が吹っ飛ぶ、好調のバロメーターが上昇中。「春のキャンプに比べると球数は少ないけど、質の高さではいい球が来ているんじゃないかと思います」。顔から滴り落ちる汗と熱い吐息が、充実感を物語る。 昨年6月のノック中に転倒し「左肩がありえない方向に曲がった」と全治5カ月の重傷。人生初の手術を受け、結局2軍登板は2試合に終わった。2年連続で故障に泣き「何もやる気がしなかった」という抜け殻状態の時期を乗り越え、今秋は初のA組(1軍)参加となったキャンプで猛烈なデモを繰り返している。 高橋徹の1年目を2軍で指導していた杉本投手コーチは「うまく体の軸を使えるようになってきた。ひじをたたみ、球持ちもいいから球筋が安定してきた」と成長ぶりに目を細める。威力アップした直球に加え、スライダーとフォークボールだけだった変化球に今秋はシュート習得へ熱が入っている。 高校時代は同じ神奈川県で涌井(西武)とライバルだったのは有名。周囲はリーグ最多勝右腕との対決を期待するが、今は惑わされない。自らの課題を「すぐに気を抜いてしまう精神面」と即答。一心不乱の連日のブルペン投球はそんな自分との対決だ。「自分でそれが分かっているなら、変われる可能性がある」と杉本コーチ。入団当初に描いた勝負の年は1年ズレて来季になったが、まっさらな“1軍成績表”に記入する準備を黙々と続ける。【押谷謙爾】(終わり) ◆高橋徹(たかはし・とおる)1987年(昭62)2月23日、神奈川県出身。横浜創学館から04年ドラフト3巡目入団。今年がプロ3年目。1軍登板はなし。182センチ、73キロ、右投げ右打ち。このキャンプで評価をあげている選手の一人ですね
怪我に泣かされ、ライバル涌井には水を空けられてしまいましたが
そういう焦りもなく、足元を見つめているので期待したいですね
そろそろ、高卒の選手が出てきて欲しいですからね