鉛色の雲が覆ってソフトバンクが秋季キャンプを張る生目の杜は雨となった。今キャンプ初めてチームは雨天練習場で汗を流した。午前スタートのA組、午後からはB組が合流し室内練習場を有効利用。練習時間も少しばかり短くなっただけに、キャンプ中盤の疲れがたまる選手たちには「恵みの雨」になったかもしれない。

 ホークスナインが室内でトレーニングに励んでいるとき、今季限りでチームを退団した倉野信次投手(33)は東京都内で1人黙々と汗を流していた。7日にジャイアンツ球場で行われる12球団合同トライアウトに向けて最後の「調整」だ。4日に福岡から東京入り。「再就職試験」に気持ちを高ぶらせた。

 「どうなるか分かりませんけど、とにかく悔いの残らないように頑張ります。野球が続けられるならどの球団でもいいんで。とにかくまたチャレンジしたいですからね」。戦力外通告を受けた後、ホークスからは何らかの形で球団へ残ることも打診されたが、倉野は現役の夢を捨てられなかった。今季はファーム暮らしが続いたが、シーズン終盤には自分なりに手応えも感じていた。選手としての再チャレンジを選択した。

 今シーズンは1軍にお呼びがかからなかったが、自らに課したトレーニングだけは怠らなかった。雁の巣球場での2軍練習が終わると、そのまま福岡ヤフードームに駆けつけ設備のそろったトレーニングルームで汗を流し続けた。1軍の試合があるときは、試合前には切り上げ、選手の邪魔にならないように気遣った。ドームへの出入りはいつも裏口からだった。「不安はあります。(トライアウト当日は)いろんな感情もあって、力が出せるかどうかわかりませんけど、やるだけのことはやりたい」。この日、倉野のパソコンに渡米中の斉藤和からメールが届いた。海を越えた後輩からの激励メールに「いろいろと気にしてくれてうれしい」と倉野は言った。

 04年には先発、中継ぎに奮投。自己最多の9勝をマークし「谷間の華」と呼ばれた。「また、そうなりたいですね」。今日7日、倉野は新天地を目指しトップを切ってテストのマウンドに上がる。【佐竹英治】
倉野の「大人」な行動は素晴らしいですね
こういう記事を見ると、なぜ戦力外!?って思ってしまいます
でも、他球団での活躍を楽しみにしています
出来ればセリーグで(笑)