守護神で逃げ切り、踏ん張った-。1点リードの8回2死二、三塁のピンチを馬原孝浩投手(25)がしのぎ、1回1/3を無失点。今季36セーブは2000年のペドラザを抜いて球団新記録だ。本多雄一内野手(22)の攻守も光り、今季ヤフードームでの日本ハム戦の連敗を6で止めた。絶対に負けられない首位攻防第2ラウンドをものにして、日本ハムとのゲーム差を再び「2」とした。

 復讐(ふくしゅう)の舞台設定は完ぺきだった。1点リードの9回2死二塁。逆転サヨナラ負けで3試合連続の救援失敗を味わった2日、札幌ドームでの一戦と点差も、打者も同じだった。「あれをずっと思い出しながら…。今度は絶対低めに投げないといけないと思ってました」。外角低めのフォークに、工藤の投げ出したバットが空を斬(き)る。馬原はバックへ振り返って両拳を握り、感情を解放した。

 「何で行く? 」。カウント2-2から的場に促されて選んだ内角直球はファウルされた。続くサインはフォーク。サヨナラ安打を浴びたのと同じ球だが、今度は真ん中に入りはしない。「やられていたんで、強い気力を持って臨んだ。早く日本ハム戦のマウンドに立ちたいと思っていた」。王監督の座右の銘“氣力”が口から飛び出した。

 ガトームソンが5回もたずKO。柳瀬がしのぎ、ニコースキーがつなぎ、そして水田が2イニング目で追い詰められた。8回2死から登板した守護神は粘られた末、田中賢を8球目の高めの151キロ直球で空振り三振。二、三塁のピンチを脱し、最終回は先頭稲葉への徹底した内角直球の攻めが抑え転向後初の死球にもなった。「力で抑えていこうと思った。キレ? 今日は分からない。気持ちで投げて、アバウトな制球だったんで」。最速153キロ。全21球中、18球を占めた気迫の直球はセギノール、高橋の痛烈な当たりも凡打に変えた。

 2000年ペドラザの記録を塗り替える球団新36セーブ目。もはやリーグ初の「40」到達は現実目標だ。「ここが目標ではなく、通過点。数字はついてくる」と本人に区切りの意識はないが、周囲は動き始めた。「今後のリーグ新の可能性を考えても記念Tシャツなり、何らかの形で用意しなければ」と井上マーケティング広報課長。シーズン閉幕に間に合うよう、初の記念グッズを急ピッチで準備する考えだ。

 前夜のカード初戦を落とし、負ければきょう17日に引き分けても日本ハムの優勝マジックが点灯する危機を、一丸で乗り切った。チームスタッフがベンチ入り口に太宰府天満宮の「紅白願塩」で盛り塩をし、必勝祈願して臨んだ一戦。「一つ勝つのは苦労する。3者凡退はいくつだい」。疲労感を吐き出した王監督は「水田も馬原も疲れているが、今日の勝ちは大きい」とねぎらった。

 第3戦はカード直前までの2ゲーム差で仕切り直す。王監督は「何とか明日(17日)勝って、負け数を同じにしたいね」と力強く言った。接戦をしのいだ手応えを足場に、あとは突き上げていくだけだ。
昨日負けていればほぼ終戦・・・
その危機を乗り越えたのは気持ちの部分でしょうね
馬原だけでなく、他の選手も優勝争いのプレッシャーを力に変えて
残り少ない試合に挑んで欲しいです
馬原が新記録を作る為にはホークスの勝利しかありません
チーム一丸となって優勝を目指し、馬原も新記録達成なら言う事ありません!!