魂の一打が一、二塁間を抜けたことを確認すると、ソフトバンク・川崎は右手人さし指を突き上げた。3―3の9回2死満塁。前代未聞の航空機トラブルで中止となった杉内、涌井の“投手戦”に決着をつけたのはムネリンのバットだった。「いつもはバットで打つんだけど、今回は気持ちで打ちました。直球しか待っていなかった」。サヨナラ打は真ん中低めの132キロカットボール。地道に流した汗が、体を反応させた。

 初回1死には内角低め、138キロの直球を右翼中段へ放り込む先制の2号ソロ。「人生最長のホームランかも…と思うくらいよく飛んだ」。この日、今季9度目の猛打賞で涌井との通算対戦成績を22打数13安打の打率・591とした。「プロ野球の投手は全員苦手。打席で相性は忘れる」と冗談交じりに首を振るが、データは正確だった。

 2安打した28日の試合後も「まだ100%ではない」と居残り打撃を行った。ティー打撃はみずおち付近まで球を置く位置を上げた“ロングティー”で「きれいに(体が)回転するように意識した」。自身3度目のサヨナラ打は、気合だけでは片づけられない練習の成果でもあった。

 多村、松中、小久保のクリーンアップが初の無安打でも脇役の爆発でチームは6連勝&50勝に到達。「特に大事なところでいいところに飛んだ。バットに当たればいいこともある」と王監督。前半戦はきしんでいた歯車がやっとかみ合ってきた。

 <西武 涌井痛恨…今季3度目サヨナラ負け>気迫を込めた150球目を痛打された。西武の涌井が同点の9回2死満塁から川崎にカットボールを右前に運ばれ、今季3度目のサヨナラ負け。初回に川崎に先制ソロを許すと4回には自身のサインミスでピンチを広げて2失点。それでも5回に細川の9号3ランで同点となると、5~8回は無失点に抑えた。ソフトバンク・杉内に13勝で並ばれたが「悔いはない」と涌井。連敗で5割に逆戻りした伊東監督も「涌井は最後の力を振り絞って投げた」と21歳エースをねぎらった。
これでチームは6連勝ですが、活躍する選手は日替りです
TMKが打たなくても、チームが勝つようになってきたのは
歯車がかみ合ってきた証拠だと思います
この流れを自ら逃す事無く、このまま一気に首位奪回して欲しいですね