レオが尻尾を巻いた! 福岡ソフトバンクの小久保裕紀内野手(35)が7日、強烈なリーダーシップで宿敵西武の「007」に先制パンチを見舞った。この日視察に訪れた片平晋作編成部長は、通算321発の強打に警戒感を強める一方、ダイエー時代と変わらないチームリーダーとしての存在感に早くも白旗だ。シーズンでは外角に広がった新ストライクゾーンで徹底的に攻めてくることが予想されるが、小久保は万全の準備で迎撃。4年ぶりの日本一奪回に向け、避けては通れない「打倒西武」に死角はない。

 背中に西日を受けて、ツートンカラーのバットを黙々と振り込む。午後3時40分。小久保が今キャンプ初めてロングティーを開始した。「今までウチの名物だったからね」。球場を後にする際に報道陣から伝え聞いた王監督が目を細めた。4年ぶりに復活した、この光景こそ、他球団が恐れていたことだった。

 「当然主軸を打つだろうし、警戒する打者なのは言うまでもない。でも、それ以上に怖いのが小久保君の野球に対する取り組み方だ」。迷いなく、言い切ったのは西武の片平編成部長だ。今キャンプ初のホークス視察。フリー打撃ではとくに小久保、松中、多村の打棒に目を奪われた。だが、くぎ付けになったのはバットだけではない。

 生え抜き以外では初の主将を務めるなど巨人でも示した統率力は、古巣でも発揮されている。片平編成部長が最も警戒感を強めたのは小久保の持つリーダーシップだ。「内野ノックも見たけど、あの姿を見れば、若手はやらざるを得ない。何か、昔のホークスに戻ったね」。声を張り上げた小久保が泥にまみれ、松中もライバル心をむき出しにする。かつての常勝時代には当たり前だったシーンが再現された。

 この日の居残り練習ではティー打撃の小久保のほかに、松中もフリー打撃を行った。日が落ちても、白球を打つ音は止まない。グラウンドに今キャンプ初めて照明が灯り、松田と江川が競うようにバットを振り続けた。第2クール2日目で早くも登場したナイター練習。レオの007も舌を巻くしかなかった。

 右ひざのケガで03年を棒に振ったため、タカのユニホー厶を着ての対戦は02年以来。西武強力投手陣には以前から苦しめられたが、今年に限ればエース松坂が抜けた影響は否めない。外角にボール1個半広がる新ゾーンを使った攻めも想定されるが、小久保も「(審判がストライクを)取ると言ったから取るだろうね」と対応。ティー打撃ではバットのヘッドが下がらないよう、外角低めの球を踏み込んで打つ練習を繰り返している。

 チームよりも1時間半早く午前8時に球場入りした小久保がすべての練習を終え、引き揚げたのは午後6時半だった。「自分が決めることではないが、4番をあきらめるつもりはない」。身も心もホークスの一員として完全に復帰した男は、松中との4番争いにも真っ向勝負を挑む。充実度120%の宮崎キャンプ。チーム最年長になっても変わらぬ熱い姿勢が、王国復活の原動力になっている。
ついにホークス恒例となっていたロングティーの復活です!!
小久保・松中の後継者と期待される松田・江川も遅くまでバットを振りつづけました
西武007が恐れる「常勝ホークス」の復活
小久保のキャプテンシーというか、影響力はとても大きなものです
去年はシーズン3位に沈んだので、今年こそ優勝!!それだけですね