ホークスの「3番」候補が火を噴いた。福岡ソフトバンクの多村仁外野手(29)が4日、フリー打撃で場外弾を含む20発のサク越えを披露し、キャンプ初の日曜日となった生目の杜を震撼(しんかん)させた。第1クール最終日のこの日、王貞治監督(66)はパワフルな打撃で首脳陣をうならせた多村を、第1クールの「MVP」に指名。小久保、松中とともにクリーンアップを組ませる意向を明かしたうえで、昨年は固定できなかった3番の最有力候補に据えたことも示唆した。

 期待の詰まった打球が場外に消えていった。キャンプ初の日曜日ということもあり、正午すぎに行われたランチタイム特打。最高気温16度、ファンで埋まったスタンドに目を丸くしながらケージに入った多村が、驚きの豪打を披露した。

 「今日は暖かかったですからね。場外? 打球はよく見てないけど、いい感じでバットを振れました」。両翼122メートルのアイビースタジアム。2本の場外弾を含むサク越え5本にファンも大喜びしたが、これだけでは終わらない。その後のフリー打撃でも83スイングで15発。「見られているのもいい刺激」と意識しながら、右方向への1本を含む計20発をファンにプレゼントした。

 横浜から移籍して初めてのキャンプ。当初は戸惑いもあったものの、ペースは確実に上がってきた。この日の20発が決定打となり、王監督は「多村はボクの考えていた通りリストが強い。楽しみ」と第1クールのMVPに指名。さらに、おぼろげだった打線の全体像まで示してみせた。

■「主軸この3人」

 「3番? 昨年はいろいろ使っても決め手がなかったけど、今年は候補がいる。3、4、5番は3人(小久保、松中、多村)で決まりだろう。今から打順を決めるのは失礼だが、今のところ、左の3番はない」

 昨年、先発出場した3番(6人)の成績は、合わせて打率・261、65打点、5本塁打。多村が悩み続けた3番の至近距離にあることを示唆した。1、2番の大村、川崎、4番最有力の松中が左打者のため、王監督は「確実性はともかく、長打力」と右の長距離打者を求める。多村がピタリと当てはまることも念頭に置きながら「3人で100発打ってほしい」と期待を込めた。

 この日、ともにランチタイム特打を行った小久保とは、合間を見つけては話し込んだ。「同じ右の長距離砲としてよく話を聞きに来るし、自分も聞く。ガンガン飛ばすもんだから、こっちもムキになってしまうよ」。貪欲(どんよく)な姿勢とパワフルな打撃に、小久保も圧倒された格好だ。

 「みんなが声をかけてくれるので、キャンプにすんなり入れた。今は自然と気持ちが高ぶっているので、それを抑えていかないと」。周囲の猛練習ぶりに触発され、この日球場を後にしたのは午後7時。新天地で進化する大砲が、王ホークスの悩みを解消する。
もともと実力がある選手なので驚きはしないですが、嬉しいですね!
去年の穴ともいえる3番と捕手ですが、3番のほうは埋まりそうです
キャンプ後半に疲れが出ても、これぐらい打てたら文句なし!
あとは怪我だけ気をつけて欲しいですね!?