小久保の復帰弾がさく裂-。福岡ソフトバンクの小久保裕紀内野手(35)が28日、ホークス復帰後初の“豪快アーチ”を披露した。この日は福岡県新宮町の福岡工大グラウンドで行われた少年野球教室に参加。想定外のデモンストレーション打撃を要請され、12スイングで5本のサク越えをぶちかました。地元ファンを喜ばせた特有の力強い放物線。春季キャンプへ向け、順調な調整ぶりをうかがわせる一幕だった。

 予期せぬ依頼にも、最高のパフォーマンスで応えた。2月1日のキャンプイン目前。小久保が地元福岡のファンに一足早い豪快弾をプレゼントした。「(ホークス復帰後)福岡で野球教室をするのは初めて。今年からはまたここを本拠地にするわけだから、きょうは地元の人たちと触れあえてよかった」。待ち望まれた復帰の実感が足元から込み上げた。

 サプライズを演出したのは藤原満・元ホークス2軍監督(本紙評論家)だった。野球教室が終わると、当初は予定に入っていなかったフリー打撃を小久保に要請。本格的にバットを振るのは巨人時代の昨年10月15日のシーズン最終戦、ヤクルト戦(神宮)以来だったが、通算321本塁打を誇るアーチストの感性は即座に目覚めた。

 野球教室のスタッフが山なりに投げたボールを力強いスイングで捕らえる。そのわずか2球目だった。快音を残した打球はアッという間に両翼92メートルの左翼場外へと消え去った。「突然のことでビックリした。打てなかったらどうしよう、なんてプレッシャーがかかったよ」と頭をかいたが、12スイングで5本のサク越え。2打席連発あり、推定飛距離130メートルの場外弾あり、面目躍如のパフォーマンスに相好を崩した。

 25日まで米アリゾナで行った自主トレでは、過酷なウエートトレで体重を出発前の86キロから89キロまでビルドアップ。03年に右ひざ靱帯(じんたい)断裂の大けがを負って以来、一昨年までは体幹中心のトレーニングを継続したが、ひざの不安がなくなった今回はパワーアップを狙って体重増に取り組んだ。「その成果が出た? いやいや…」。報道陣の的外れな質問を笑って受け流すと、春季キャンプへ向けて「パワーを意識した練習は引き続きやっていく」と口元を引き締めた。

 米アリゾナから東京都内の自宅を経由、27日に福岡入りした。きょう29日は西戸崎室内練習場で汗を流し、31日にはキャンプ地の宮崎へ。間もなくスイッチを「ON」に切り替える。この日、ユニホーム姿の少年たちに「必ず王監督を胴上げして、みなさんと喜びを分かち合いたい」と力強くV宣言した小久保。福岡へ舞い戻った優勝請負人が、ビクトリーロードの先頭でチームをけん引する。
いきなりの事でもきっちき結果を出したところを見ると
キャンプでの自主トレは順調だった事がわかりますね!
もうすぐキャンプイン、小久保の綺麗な放物線を何度も見る事が出来るでしょうね!!