“ジョー”流バットで“ジョー”超えロード-。福岡ソフトバンクの大学・社会人3巡目入団の高谷裕亮捕手(25)が14日、「城島バット」で新人王を目指す決意を明かした。打撃練習では、旧ダイエー時代に城島健司捕手(30)=マリナーズ=が使っていたのと同タイプのバットを使用。王貞治監督(66)から正捕手候補と期待される逸材は「やるからには球史に名を残したい」と城島も達成できなかった新人王獲りを視野に入れる。

 新人合同自主トレ2日目。初日と同様に全体練習後、ティー打撃、マシン打撃に打ち込む手にはあの男のバットが握られていた。「城島さんのモデルを使わせてもらっています」。王監督から「来年は正捕手として期待できる」と「ポスト城島」を託された高谷が、大先輩の打棒で正捕手戦線に殴り込む。

 白鴎大3年時は1学年上の飯原(ヤクルト)が持っていた日本ハムの田中幸雄モデルを使っていたが、4年時に城島モデルへ変更。プロ入りに合わせ、さらにコンパクトに振り抜くため「ヘッドが利くやつを」と、グリップ部分がなだらかに太くなっていくタイ・カッブ型に調整した。

 用具メーカーが用意したのは城島が旧ダイエー時代に発注していた試作品。メープル(かえで)製で920グラムとやや重めだが「振りやすくて、打球もよく飛ぶ」と使用感は抜群だ。用具メーカー担当者も「よく残ってたなと思います」というレアな逸品が相「棒」だ。

 例年3割前後の打率を残し、01年から5年連続で20本塁打以上を記録した城島が去って2年目。王監督は高谷に「打率・280、20本塁打」を期待するが「それぐらいの気持ちがないとダメ」と言い切った。白鴎大では関甲信リーグ記録の通算16発。高卒後2年間、富士重工に在籍した高谷は規定により1年間、公式戦出場が認められなかった。実働3年での記録だけに価値は数字以上だ。

 的場、山崎、田上らと横一線で繰り広げることになる正捕手争い。その中でアドバンテージになり得る“特長”がある。「捕手で左打者はボクだけ。小久保さん、多村さんと右打者が主軸に座るわけだから、左の存在価値はあると思う」。右鎖骨を骨折したことが原因で、中2で左打ちに転向。「意外と打てたから」続けてきたことが、プロで生きようとしている。

 「城島さんのように打てて、守れる捕手が理想」とは言うが「僕のスタイルを崩したくない。やるからには球史に名を残したい」。「2世」を目指さず、まずは新人王を追う。パ捕手では84年の藤田浩雅(阪急)だけ。その打撃成績は打率・287、22本塁打。まさに「・280、20本」がボーダーラインとなる。

 夜間、寮の自室では先輩投手陣の映像を収めたDVDにくぎ付け。「自分のやるべきことをやって、攻守とも信頼を得られるようにしっかりやっていきたい」。決まらなかった扇の要を、全力で奪う。
いくら打てる捕手だからといって、.280、20本は期待しすぎかと・・・
打ってくれるのはありがたいし、そこまでの成績を残せば文句も無いですが
まずは正捕手取りを目指して頑張ってもらいましょう!!
確かに左の捕手はアピールポイントですね。仮にマスクは譲っても代打としても期待できます!
苦労人の高谷の事ですから、やってくれるでしょうね!