若手育成へ向けた荒治療を-。福岡ソフトバンクの主砲、松中信彦内野手(33)が27日、福岡市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、米球界並みに1、2軍の待遇差を拡大することを要求した。真の「常勝軍団」を目指すには若手の底上げが不可欠と主張、その環境整備が大事だと訴えたもの。また、シーズンオフの12月に若手主体の合同練習を開催することも提案。今季、殻を破りきれなかった若手にハングリー精神を植え付け、主力の地位を脅かすほどの台頭を求めた。

 好待遇は1軍選手だけの特権でいい。松中が球団に「格差社会」の導入を求めた。「1、2軍の環境に格差をつけて、もう2度と2軍に行きたくない、と思うようにさせることを提案した。ぬるま湯はダメだから」。定位置獲得のチャンスをつかめなかった若手に業を煮やし、厳しい言葉が口をついた。

 格差の実現には米球界式を求める。米国ではメジャー選手にはグラウンド内外でハイグレードな環境が保証される一方、3A以下のマイナーリーグでは過酷な生活を強いられる。数百キロを超える試合移動にも航空機でなくバスを使用。「ハンバーガー・リーグ」と呼ばれる1Aともなれば、宿泊はモーテル級での相部屋、3食とも安価なハンバーガーといった状況も決して珍しくない。

 その点、日本の2軍選手は恵まれ過ぎだといわれる。1軍ほどではないにしても、移動や宿泊でも安全性とプライベート感が保たれ、球場ロッカー室なども十分のスペース。それなりに快適に過ごせる環境が整っている。その度が過ぎるとよくないというのだ。「米国では(格差は)当たり前。体づくりのために食事のケアは大事だと思うけれど、1、2軍が同じではハングリー精神も育たない」。松中はあえてそう言い切った。

 オフシーズンの過ごし方にも言及した。今年も11月の秋季キャンプでは1日8時間を超える猛練習に明け暮れた若タカたちだが、球団に拘束されない12月に同じ質、量の練習を続けることは難しい。「選手会で話し合えば、12月に若手主体の合同練習もできる。若手は練習することを習慣にした方がいい」とオフ返上の合同練習まで提案してみせた。

 一方、1軍用には疲労回復に効果が高い高圧酸素治療器の増設、ヤフードームの外野フェンスの張り替え、メジャー並みにロッカールームを拡充することなどを球団に要求。チームを支える施設面の改善を求めた。「ボクの若いときは秋山さん(総合コーチ)、工藤さん(巨人)といういいお手本がいたが、1軍にいないと見られなかった。今も一緒だと思う」。1軍にはい上がってきてこそ真のプロ。若手にそうした認識を強く持ってほしいのだという。

 今季までチームは9年連続でAクラスをキープ。来季以降もハイレベルな陣容を保つには、若手の成長が不可欠と感じている。「このチームが常勝であり続けるための提案をした。若い力を必要としている」。この日、33歳の誕生日を迎えた主砲の願いは他でもない。自らの地位を脅かすような“ライバル”の台頭だ。
以前もこのような1軍と2軍の格差をつけようという話は出ていました。
チーム戦力の充実には若手の下からの底上げが必要です!
今年は若手にチャンスがありながら、野手でそのチャンスをつかめた選手はいないと言っても
いいと思います。だからこその松中の発言なんだと思います。
若手の台頭があれば、ベテラン・中堅選手も刺激となり、
高いレベルでのレギュラー争いが出来ると思います。
それこそが、常勝ホークスへの道ではないでしょうか!?