西スポより

川崎をイチ押し!!

 福岡ソフトバンクの川崎宗則内野手(25)が20日、マリナーズ・イチロー外野手(33)から直々に「後継者」指名を受けた。この日、2人は神戸市西区のオリックス室内練習で“極秘”に合同トレを実施。イチローは自身の持つシーズン210安打の日本記録更新を目指す川崎について「可能性の十分にある選手。あいつなら許します」と、次代の安打製造器として期待を込めた。

 底冷えのする室内練習場で、静かに笑みをたたえた。川崎が前日19日の契約更改後に打ち立てた「210安打超え」の目標を耳にした天才打者は挑戦者を歓迎するどころか、その背中を押した。

 「可能性は十分にある選手だと思う。日本に何人かしかいないうちのね。(記録樹立から)12年になるのかな? もうそろそろいいんじゃないかと思う。あいつなら許します」

 プロ入り前から尊敬し、心酔するイチローからの予期せぬ“お墨付き”。「そう言ってもらえるのはうれしいことです」。川崎は表情をこわばらせながらも、その言葉の重みをかみしめた。

 2人が現れたのはオリックス選手が自主トレを終え室内練習場が無人となった午後2時半。3月のWBC期間中に川崎が「お願いします」と懇願、イチローが「神戸でやれたらいいな。メシ食う前にやろうか」と快諾した。

 メジャー移籍後も同室内練習場で始動し、後輩選手の視線をくぎ付けにしてきたイチローだが、古巣以外の選手との接触は異例。キャッチボールから打撃練習までの約2時間は、川崎にとって「すごく緊張したけど、最高! 」。体感ではほんの数分だったようだ。

 イチローの川崎評は「マニアですね。イチローマニア」。1995年、当時中学生だった川崎は鹿児島・鴨池球場のオープン戦でホームランを目撃して以来の熱烈なファン。今でも鹿児島県姶良町の実家の自室に等身大ポスターが張ってある。「かわいいですよ。野球が好きなやつなんでね。『うまくなりたい』という気持ちを持っているやつはいても『野球が好き』とは限らない。ムネはそれを両立してる。一緒にいて楽しいですよ。彼が影響を受けるだけじゃなくて、ぼくも影響を受けている」。理論以前に野球への思いを共有しているからこそ、記録更新への期待を隠さない。

 今回の合同練習を、イチローは「自主トレじゃない。オッサンのジョギングみたいなもの」と表現する。技術指導も「ないよ。だって3割打ってるんだから。逆に聞きたいぐらい」と肩をすくめるが、フリー打撃では自ら打撃投手を務めた。計約50球、打った川崎も「ぼくは幸せもんです」と無言のメッセージを受け止めている。

 22日までの“共演”は「気まぐれです。(開始の)時間もばらばら」とイチロー。そんな自然体の時間を共有し、川崎はイチ流のエッセンスを余すところなくかぎ取るつもりだ。「技術的なことより、一緒にやって肌で感じることが大事。野球への姿勢から見習っていきたい」。太平洋をまたいだ師弟関係が、新たな物語を紡ぎ出す。
イチローからこれだけ言われる、川﨑は凄いですね!!
イチローが言うように、川崎は野球が上手くなりたくて、野球が好きな選手ですよね!
それは川﨑の言動から見て取れます。だからこそ、イチローも川﨑に心を許すのだと思います。
川﨑の来年はさらに期待が持てそうです。210本を越えてもらいましょう!!