「いい勉強になった1年でした」

川崎×ダンカン特別対談
2006年12月12日 (スポーツナビ)

三井ゴールデン・グラブ賞は見えない部分も評価してくれる

ことし1年、攻守にわたって大きな飛躍を見せた川崎選手と芸能界きっての野球通であるダンカンさんの特別対談が実現 
 
 福岡ソフトバンクでは若手のリーダー格として内野陣の中核を担い、ことし3月に行われたWBCでショートのレギュラーとして日本の世界一に貢献した川崎宗則選手。今オフには、2004年以来2度目の三井ゴールデン・グラブ賞を受賞し、打撃でも自己最高の3割1分2厘を打って、ベストナインを獲得した。そんな攻守にわたって結果を残した川崎へ、芸能界きっての野球通、ダンカン氏が三井ゴールデン・グラブ賞の対象となる“守備”をテーマに切り込んだ。(※川崎の崎の字は山へんに立・可)

――プロに入る前は三井ゴールデン・グラブ賞のイメージはどう思っていましたか

 三井ゴールデン・グラブ賞をもらえる人は守備の名手というイメージがあったし、見えない部分のプレーも評価されると思っているので、素晴らしい賞だと思います。

――ことしで三井ゴールデン・グラブ賞の受賞は2回目ですよね。受賞してどうですかね

 とにかくレギュラーとして試合に出ていないともらえない賞ですから、僕はことしケガをしてしまって、最初は試合に出ていなかったので、まさかもらえるなんて思ってなかったです。この賞を取れたのは、裏方の皆さんが手伝ってくれたおかげだと思います。

――ことしのシーズン初めはサードに松田君とか江川君が入って、途中はカブレラも守ったし、セカンドにはカブレラとか本間君がいて、最後は本多君が守ってと、二遊間と三遊間の選手が結構代わったでしょ

 そうですね。春季キャンプである程度練習していたんですけどね。やっぱりいろいろな人が増えると、コミュニケーションを取っていかなくてはいけないです。でも、そのように二遊間、三遊間が変わっても内野手として対応しなくてはいけない、といつも言われているので、自分の中でいい勉強になりました。

――松田君(大卒ルーキー)とか江川君(高卒2年目)とかまだ若いじゃないですか。気を遣ってフォローしなくちゃいけないというのがあったでしょう

 でも、内野手として当然のことですし、それを踏まえたうえでプレーすることは、ホークスの野球でやってきていることなので、そんなに気を遣うことはなかったですね。

――あとは内野手として聞きたかったのは、城島君が米大リーグに行っちゃって、山崎君になったり、的場君になったり、キャッチャーが代わってくると、守備のポジショニングとかどうなるんですか

 キャッチャーのスローイングが関係していて、二塁ベースに入るカバーリングとかちょっと変わってくるんですけど。それはキャンプとかで練習をしてきて、シーズン前の準備の中で確認をしてきているから、そんなに苦にはならなかったです。

――やはり城島君とは違うものはありましたか

 そうですね。当然、キャッチャーが違うわけですから。でもそれぞれ個性があって、いいキャッチャーだと思っているので、それはそれで僕はすごく楽しめました。

 
ピッチャーの頑張りを無駄にしない
  

――バッティングは入団してから一番いいんですね。3割2分近く打ちましたよね

 3割1分2厘打ちましたね。

――っていうか阪神戦の甲子園でホームラン打ったでしょ。ホームランは入団してから通算10本ちょっとなのに……。あのホームランで阪神は負けたんですよ(6月4日、4回に江草から先制2ラン)

 普段は打たないんですけど、たまたまですよ。すいません(笑)。

――守備の面では甲子園の土はどうですか

 僕は嫌じゃないですね。やはり土の上で高校球児のような、ああいう泥臭い野球をやれるのがうれしいですね。

――甲子園もよく整備されてますし、神戸のスカイマークスタジアムとかもいいでしょう。それに比べて広島市民は大変だったんじゃないですか

 広島はねぇ(笑)。でもファームの時から広島市民は使っているところなので。交流戦が始まったから急にびっくりはしなかったですね。

――でも、甲子園はやはり気持ちいいでしょ

 気持ちいいですねぇ。やはり高校球児でしたから、甲子園には特別な思いがあるので、甲子園に行くと新鮮な気持ちに戻れるというか、いつも楽しみにしています。

――最後の質問ですが、守備で一番気を付けていることはなんですか

 ピッチャーというのがどれだけ頑張って一つのアウトを取りにいっているのかを忘れず、野手はその責任を感じて、一つ一つのアウトを確実に取るということですね。エラーをすることをもちろん恐れてはいけないんですけど、やはりピッチャーがそれだけ頑張ってくれているので、自分たちはその打ち取った当たりを必ずアウトにするという責任感のあるプレーをしようと心掛けて、練習をしています。
気にせず、見てたけど・・・サード・セカンド・キャッチャーが変わる事で大変なんですね!?
投手の頑張りを忘れず、責任を感じて・・・他の野手に聞かせたい言葉です!
一生懸命プレーでのエラーは仕方ないと思いますが、気が抜けたプレーは投手にも影響しますからね!