「あのさ、240万円でいいって言ってるんだよね。それだけでも支払う気持ちっていうのはない訳?あんたと結婚していた時に私の父の保険金勝手に使ってるよね。本当はあれも返して欲しいのよ。それを我慢して240万円でいいって言ってるんだけど。」

 

「その金に関しては結婚の時のお前のモラハラを…」

 

「私がいつアンタにモラハラをしたっていうの?された事なら理解してるけど。」

 

「俺に小遣いを渡さなかったじゃないか!」

 

「渡してたじゃない。机に置いておくのがそんなに嫌だった?それとも何?『はい、おこぢゅかいですよ~、無駄使いは駄目でちゅよ』って手渡ししてあげた方が良かった?…アンタは私が正当に渡していたとしても気に食わなかったんでしょ。それをアンタにとってはモラハラな訳?」

 

「…。」

 

「世間一般的にはあんたが主張している事は通らないと思った方が良い。調停の時には弁護士さんが一緒にいてくれたから自分の意見を押し通すことができたと思うけど、今回はそうはいかないわよ。」

 

「俺の考えがおかしいて言いたいのか。それこそ人権侵害じゃないのか!」

 

「え?アンタに人権なんてあったの?知らなかった。」

 

「お、前!どこまで馬鹿にすれば気が済むんだ!」

 

「それはコッチのセリフよ。どこまで自分の知能が低いことを晒せば気が済むの?」

 

一人だとただ叫んで威嚇することしかできない弱い男。

何で、こんな男を私は恐れていたんだろう。