富士山 御殿場ルート スキー・3回目 | スキーと登山 髙波太一ブログ

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山とスキーのいろいろ

180224
2度の偵察を経て 富士山に行って来ました

御殿場口 太郎坊トンネル横の広場で
車中にて前泊

06:00起床
実験も兼ねて足元は長靴にアイゼン
ブーツと板を背負うスタイルとしました

06:40 発 1300m
晴天 外気-2℃ 湿度55%

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07:20 大石茶屋
たった2週間ですが雪がかなり解け、
だいぶ状況が変わっております

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フジアザミ
なんとなくゴッホのひまわりを連想させますね

08:25 ブル道分岐
ここのトラバースで氷の詰まった溝を
渡りますが、まだアイゼンは要りません

09:00 2190m地点
斜度も増して来て とうとう砂利が完全に
雪に覆われたので
アイゼンとハンマを装着

この辺りから毎度 風が強くなって来ます

この日は平地が陽に照らされて
気温が上がり空気が膨張した為軽くなり
谷底から山頂に吹き上げる「谷風」がありました

登る身には追い風で嬉しいものです

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10:35 六合目小屋 2590m
-2℃ 68%

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12:00 前回の岩ですね
ランドマークになります 2960m
ロックバイターに似てる?似てないか

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12:20 七合目 日の出館でしょうか
3060m

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14:05 3360m
大分空気が薄くなって来たのが分かります

急な運動をするとすぐ息が上がりますので
大きな段差などは避けて通りましょう

また、普段の呼吸通りの肺の膨らみでは
吸い込みも吐き出しも足らなくなり、
酸欠気味になります

腹式呼吸で腹筋を補助に使い、
いつもより沢山吸って
沢山吐くようにすると良いですね
横隔膜を上下するイメージです

-8℃ 82%

九合目あたりから雪が減り、
岩稜帯になります
風が強くて積もらないのですね

耐風姿勢を取らないと
瞬間的によろけるくらいに吹いています
20m/秒はあったでしょう

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山頂直下から振り返る
奥に見えるのは宝永火口ですね

数m登っては立ち休憩を繰り返し、
少しづつ高度を稼ぎます

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斜度は41〜42度の超急斜面
このルートの最大斜度

実は100m登るのに30分掛かるとして
日没までに下山と考えると
この辺りで引き返さなくては
ならなかったのです
しかしまた来るのもかったるく、強行しました

予報も晴れで気温が高かったので
暗くなってもなんとか滑って
降りられるだろうと言う腹積りでありました

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16:20 お鉢の頭に到着
浅間神社の奥の院があります
祭神はコノハナサクヤヒメ

測候所(現・気候観測所)のある
剣ヶ峰まではあと30分
有名なレーダードームは今 富士吉田市の
道の駅にあります

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波飛沫がそのまま固まったかのような造形
他で見た事がありません

風と寒さがそうさせたのでしょう
齧ってみると石のように硬い
霜と氷の塊でした

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日本最高地点の注意看板かも
小心路滑

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16:55 剣ヶ峰着 3776m
t=10:15 -14℃ 72%

標高差2476m

立派な山ですけど二等三角点なんですよね
隣と遠すぎるからですね
感情の入らないお役所的で面白いと思います

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積雪132㎝
ゾンデはすぐ刺さりました
雪は握って雪玉を作れないくらい
ツボ足になると沈みます 目の荒い砂のような感じ

苗場や狭山のクラッシャ雪に似てます


ここで想定外だったのは
ブーツが硬すぎて履けない!
と言う事

ずっとザックに入れてただけですので
カチンコチン
しかも雪面はザクザクで圧を掛けると沈む、、
( ;∀;)

最終的には板を下敷きにして
力尽くでロアシェルを開いて
どうにかインナーを突っ込みました
20分ほどのロス

ブーツにもホッカイロが必要のようです
足がしゃっこい

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17:30 日没になりました
下山開始します

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8合目までは滑れるほどの雪がなく、
ツボでテクテク

19:10 滑降開始

幸い 半月の日で星も見えていたので
ヘッデンも要らないくらいの
月明かりナイター

オリオン座と御殿場市の夜景が綺麗です

日が沈むと気温が下がり、
空気が凝縮して重くなるので
山頂から谷底に吹き下す「山風」が起きます
これもまた追い風となりました


比較的雪は滑り易く
北斜面に至ってはクラストも無く快適

しかし地形上日当り上アイスな箇所が
点在しているので
エッジコントロールには注意が必要です

滑っても滑ってもまだ終わらない中斜面
あらゆる技術を試すことが出来ます


視界が効いたので位置の補正は容易でした
左手には北斗と北極星
御殿場口は宝永火口の下
二ツ塚の麓を目指せば帰れるわけですね


21:10 長かった山行も終わり 車に着
t=03:40


ブーツを脱いだ時 足の指が凍ったように
固く冷たくなっていて
やば?と思ったのですが
その後車の暖気によって
痛みを伴いながら感覚が戻ったので
ホッとしました

しもやけ(凍瘡)ですね


総評:
・やはり日帰り登頂では3時発がベスト
・山頂から一息には滑れなかった
・装備は問題なし
・小さい段差に引っかかるので
トップの反りをもっと強くしたい


ガスりもせず 天候に救われた山行でした
厳冬期も早や終わりですね

3月は春と真冬の行ったり来たり
気圧配置と雲の流れをよく見て出かけましょう☆


山岳指導員 高波太一