《旭川市旭山動物園》編
6月11日(火)、日本最北端にある動物園として、今では知らぬ人はいないほどの有名な旭山動物園へ行ってまいりました。昼食をはさんで、わずか2時間余りの見学で、この動物園を解説するなど無茶でおこがましいのですが、少々ご紹介いたしましょう。
この日は、気温32℃もある暑さで、動物をじっくり観察する気分になれなかったのも一因ですが、本来なら旭山動物園の特徴を十分把握し、時間を掛けて見学しなければ、素晴らしさを実感できないのに、タカナは次の旅程である層雲峡の事が頭にあったのです。
動物園の役割は見せるだけでなく、生態学的研究、種の保全、動物をとおしての情操教育など多岐に亘ります。
◆旭山動物園は昭和42年(1967)7月1日開園。文字どおり市の東部にある旭山に建設されました。
敷地面積は約38万㎡もある、広大な動物園です。一時はブームに乗って年間入園者数は、昭和58年(1983)、約59万7千人に達したのですが、ゴリラやワオキツネザルがエキノコックス症で死亡するという事態が発生、平成8年(1996)に入園者数は約26万人まで落ち込んだ時期がありました。感染症対策もなされましたが、その危機を救ったアイデアが、「行動展示」という手法でありました。これはテレビなどのメディアで取り上げられ映画にもなりました。
一般的な、動物の姿形を見せることに主眼を置いた「形態展示」ではなく、行動や生活を見せる「行動展示」を導入したことで注目を集めたのです。

旭山動物園園内map

旭山動物園その1_フラミンゴ1

旭山動物園その2_フラミンゴ2
13/06/11-11.24
◎ 白浜アドベンチャーワールドなどのアトラクションをここでは期待してはいけません。すごく、アナログ で土臭い手書き入力モードなのです。
-手書き看板-
旭山動物園内にある動物の説明看板は、飼育展示係が手書きで作成しています。

この看板はマガモの品種改良によってアヒルが生まれ、 ハイイロガンの品種改良によって ガチョウが生まれた経緯を説明している。

旭山動物園3_灰色がん1

旭山動物園4_灰色がん2

旭山動物園5_アメリカンアリゲ-ター
アメリカ合衆国南東部に分布している。
最大6mにもなる。
昆虫からほ乳類まで食べる雑食で凶暴である。
ゴルフ場の池にいたアリゲ-ター にゴルファーが襲われたケースもあるとか。怖いですね。
一年間何も食べなくても生きていけるというから、すごいよね。じっとしているように見えるのは体力の消耗を防ぐためである。
◇寒冷地にすむ動物たち◇
まずは、シロフクロウとシロクマ

旭山動物園6_シロフクロウ
北極圏最大の猛禽
シロフクロウはおとなしそうに見えて鋭い爪を隠しています。
白い羽毛は雪の中に隠れるための保護色。
日本でもたまに観察できるとか。
ほっきょくけん【北極圏】
地球上で北緯66度33分以北の地域。1年のうち少なくとも1日,太陽の沈まない日と出ない日がある。→ 南極圏
真冬に太陽が昇らない極夜と真夏に太陽が沈まない白夜という現象が起る地域である。

旭山動物園7_シロクマ1

旭山動物園8_シロクマ2
気になったのはシロクマの見学場所で”絶対に手を出さないで”という注意書きが鉄格子に貼り付けてあったことです。動物よりも何をしでかすかわからないのが人間です。はじめから、予測される危険は排除すべきではないでしょうか。
ちなみに、京都市動物園では「アムールトラ」と接するコーナーで鉄格子プラス丈夫な金網を張り巡らし不測の事態に備えてありました。「アムールトラに飼育員が襲われた悲しい事故」を教訓にした対策でしょう。猛獣と人間は適当な距離をもって接するのが無難だと思います。

旭山動物園9_ キングペンギン
おうさまペンギン【王様ペンギン】
ペンギン目ペンギン科の大形の鳥。コウテイペンギンに次いで大きく,高さ1メートル 内外。耳と胸が黄褐色。イカを主食とし,南極圏の雪のない島々で繁殖する。キング-ペンギン。
-もぐもぐタイム-
動物たちの能力が一番発揮されるのがエサを食べる時。飼育展示係がエサを与えながら行動や習性について説明をしている。

旭山動物園10_アザラシ

旭山動物園11_シマリス
あざらし【〈海豹〉】
哺乳類
食肉目アザラシ科の海獣の総称。頭は丸く四肢はひれ状,毛は青黒色で光沢があり,黒色の斑点が散る。性質はおとなしく,よく人になれる。魚類・甲殻類を食べ,主に寒帯の海に分布。毛皮・脂肪が利用される。
しま りす【縞〈栗鼠〉】
哺乳類
リス科の哺乳類。頭胴長15センチメートル,尾長10センチメートルほどの小形のリス。背に五本の黒色のたて縞がある。口内に頰袋があり,食糧をその中に入れて運ぶ。10月から3月頃まで地中の穴で冬眠。東ヨーロッパからアジア北東部に分布。日本では北海道に産する。

旭山動物園12_レッサーパンダ1
レッサーパンダは初めて見ました。仕草がとても可愛らしい。

旭山動物園13_レッサーパンダ2
レッサー パンダ〖lesser panda〗
食肉目の一種。体長60センチメートルほど。全体が栗色で顔は白色。よく木に登り,竹・竹の子・草・果実などを食べる。中国の華中と華南・ミャンマー北部・アッサム北部の山岳地帯の森林・竹林にすむ。小パンダ。小熊猫。
◇猛禽類◇

旭山動物園14_シマフクロウ
絶滅危惧種のシマフクロウを見られるなんてラッキーでした。
しま ふくろう【島梟】
フクロウ目フクロウ科の鳥。翼を開くと2メートルに達し,日本のフクロウでは最大。体は灰褐色で尾は淡褐色。魚類・両生類を捕食する。北海道・南千島・サハリンなどの河川・湖沼周辺の原生林にすむ。分布域が狭く,個体数が減少。天然記念物。絶滅危惧種。

旭山動物園15_クマタカ1

旭山動物園16_クマタカ2
これも、絶滅危惧種です。動物たちにとっても生き延びるのが困難時代ですね。
くま たか【熊鷹】
タカ目タカ科の鳥。全長約80センチメートル,翼を開くと2メートル 近い。暗褐色の背をし,腹面は白地に褐色の横斑がある。山間にすみ,兎や鳥類を捕食する。日本から東南アジア・中国・インドに分布。日本に生息する亜種は朝鮮半島にも分布するが個体数が少ない絶滅危惧種。
目は、いわゆる「鷹の目」人の8倍の視力があり、デジカメにたとえるならヒトが100万画素、タカの仲間は800万画素。解像度が高いから上空からでもネズミを見つけられる。

旭山動物園17_イヌワシ1
何の肉か知らないけれど、鋭い爪で押さえつけ食いちぎってました。

旭山動物園18_イヌワシ2
いぬ わし【犬鷲・狗鷲】
タカ目タカ科の鳥。体は黒褐色で,後頭部に金色の羽毛がある。翼を開くと2メートルに及ぶ。主に深山に生息し,小獣・鳥類を捕食する。北半球に広く分布。日本では本州山地で繁殖するが生息数は少ない。天然記念物。絶滅危惧種。
絶滅危惧種のオンパレードであります。
◇霊長類◇
動物園では猿の仲間はどこでも大事にされていると、感じました。人間の起源・生態・行動などを知る上で貴重なのでしょう。
外の暑さを尻目にチンパンジーの館では、エアコンの効いた涼しい場所でくつろいでいました。

旭山動物園19_チンパンジーの親子1
赤ん坊をしっかり抱く母チンパンジー

旭山動物園20_チンパンジーの親子2

旭山動物園20_オランウータン
暑さでばてているのでしょうか?

旭山動物園21_アビシニアコロブス
チンパンジー〖chimpanzee〗
ショウジョウ科の哺乳類。全身黒い毛に覆われ,ゴリラに似るが小形で,雄は背の高さ1.5メートルほど。サル類の中では最も知能の高いものの一種。熱帯アフリカの森林地帯にすみ,夜は木の上で眠り,昼間,果実,木の芽・葉,昆虫などを食べる。黒猩々 (くろしようじよう)。広義には,別種のピグミー-チンパンジーを含む。
オラン ウータン〖orang utan〗
〔マレー語で,森の人の意〕
ショウジョウ科の哺乳類。大形の類人猿で,雄は背の高さ1.4メートルほどになる。上肢は非常に長い。全身赤褐色の長い毛で覆われるが顔は無毛。小さな群れで樹上生活をし,果実・芽などを食べる。カリマンタン島・スマトラ島の熱帯雨林にすむ。ショウジョウ。
アビシニアコロブスとは変わった名前の猿ですね。
手書き看板の説明:
分類-オナガザル科、8種類。
分布-ケニア、ウガンダなど中央アフリカに生息、3000m以上の高地などに暮らす。
寿命-野生下で20年、飼育下で約24年。飼育下で約35年生きた例があるらしい。
食べ物-木の葉が主食、果物も食べる。動物園では木の葉」、レタス、チンゲンサイなど。
天敵-クマタカ、チンパンジー、ヒョウ
保全状況-生息数は減少傾向にある。

旭山動物園22_ワオキツネザル1

旭山動物園23ワオキツネザル2
ワオキツネザルです。キツネのように尖った顔と,白字に黒の輪状模様の長い尻尾が特徴です。
鳴き声はネコにそっくりなので,サル舎でじっくり観察してみると聞くことができるかもしれません。
ワオキツネザル 学名 Lemur catte、英名〖Ring-tailed Lemur〗
分類 ;ほ乳綱サル目(霊長目)キツネザル科
分布:マダガスカル島の南部、南西部
サイズ 頭胴長:39~46cm
尾長:56~63cm
体重:2.3~3.5kg
寿命:約15年
長い尾には白地に黒の輪状の模様があり、顔がキツネのようにとがっていることから、名前がつけられました。現在は、生息地の開発などにより減少し、絶滅が心配されています。
ワオキツネザルはサルの仲間でも原始的なサルであり、体温調節機能が十分に発達していません。そのため、1日のはじまりは、座ったまま両腕を広げ、朝日をたっぷり浴び体温を上げてから行動します。
(。・_・)ノお別れは丹頂鶴を観察しましょう。北海道らしい鳥ですね。こんな間近に見られるとは、人なつこい鳥です。

旭山動物園24_丹頂鶴1

旭山動物園25_丹頂鶴2

旭山動物園26_丹頂鶴3
たん ちょう【丹頂】
ツル目ツル科の鳥。国産鳥類では最も大形の鳥で,全長140センチメートルほど。全体が白色で,喉から頸にかけてと,翼の内側の風切り羽の部分が黒色。頭頂は赤く裸出する。北海道東部の個体群は周年生息し,本州や九州ではまれに飛来する。姿が優美であり,長寿でめでたい鳥として,日本では古くから画題とされ,親しまれてきた。特別天然記念物。絶滅危惧種。丹頂づる。
◎時間的制約があって、「夜の動物たちの生態」を見ることが出なかったのは残念です。とくに、「オオカミ」には会いたかった。月に吠える”ウオ-ッ”という物悲しい叫び声を聞きたかったですわ。