5月はタカナの出生に関わる、大事な月であります。
「夏も近づく八十八夜~」という歌もあるように、暖かくなってきます・・・と言いたいところですが、亀岡では晴れていても5月2日(木)(全国的に寒い一日だったようである)は最高気温12℃という低さでありました。何を着てよいものか、迷いますわ。
ともかく、連休の合間を縫って温泉へ行き、心身をリフレッシュしてまいりました。
湯ノ花温泉のとある旅館で温泉とご馳走を堪能しましたが、ぐるりを見回すと、そこは宣伝では分からない、ミュージアムともいうべき贅沢な空間が広がっていました。
◆お食事-気に入った器

藤をあしらった台紙に乗っているのは茶碗蒸し用の椀
とろみのきいた、茶碗蒸しには丹波黒豆が浮いていました。

窓を見やると、”あれ”野生の藤が「私もお忘れなく」と咲いているではありませんか。食卓に合わせるかのように。自然のサプライズ。
「旬」とは最も日本らしい言葉の一つではないでしょうか。
◆湯殿へいざなう回廊-美術品の数々

3階建ての回廊はまるで、「吉原」のようでした。

湯殿の入口の門構え

門構えの奥に設けてあるオブジェ。
下から押し上げる水圧でぐるぐる回る球体の石

鉄線の生け花に重厚な家具

通路の片隅に彩りを添える花

組紐のオブジェの横に人形が端座しておりました。
「花ふくよかに」の題字を背に座っているのはひな人形だそうな。
幼い頃から愛をはぐくむようにとの願いなのでしょうか。

帯柄の飾り
◎ここのオーナーは祇園と深い関わりがあるようで、上七軒など芸舞子さん達の名前入り団扇がたくさん飾ってありました。

舞子の扇子さばきを見事に描いた日本画
◎今年は富士山が世界文化遺産に登録されることが決まりましたね。日本人の魂のよりどころの一つとして、大事に守っていかねばなりません。

香炉と生け花、そして、清々しい富士山を描いた掛け軸
◎吉祥紋文字八種というものを描いた珍しい作品がありました。
吉祥文字-ウィキペディア提供
吉祥文様(きっしょうもんよう)とは、縁起がいいとされる動植物や物品などを描いた図柄を言い、特に中国文化圏を中心としたアジアで広く愛されるものが多い。(参照:瑞獣・瑞鳥)

象形文字のような吉祥紋文字。中国、周時代(3000年前)の金文(青銅器文字)をかたどったもの。
-説明-
富 ウかんむり(家)の中に酒いっぱいの酒樽がある。富の象徴。
徳 行にんべんと直と心からなり、真っ直ぐな心で行うことにより徳を得る意。
喜 口の上の部分が食べ物を柔らかく煮る土鍋、この文字が出来た中国三千年前の喜びは食欲であった。
榮 たいまつを交差させた様子
豊 豆(食物を入れるもの)の中に豊富に作物が保存してある。
福 示(神にものを捧げる祭壇)の上に酒樽をそなえ、手をあわせることにより福来たる。
壽 (老人)=長寿と(田んぼの畦道)=息が長い意から壽の意
善 譱が本字、言字が欠落し、羊が残った。羊の形容は古来、美しい・立派の意、その意のみ残り、善の意となった。
※漢字の奥深さを痛感いたします。
◆大願成就したきもの、中でも人間にとって恋の成就は強い願望の一つでしょう。

大願成就「夢はかならずかなうから」
と書いた掛け軸がありました。中央に仏の絵が見える。
お祈りしなさいということでしょうか?
野崎まい~り~は 屋形ぶ~ね~で まい~ろ
どこを向いても 菜の花ざ~か~り ……
どこかで、聞いた文句ですね。このメロディ・物語に関わる文楽人形がありました。

「お染久松」の文楽人形
□染模様妹背門松(そめもよういもせのかどまつ)
「お染久松」の心中事件を課題とする世話物です。
商家の娘お染は山家屋清兵衛との結婚が決まっていましたが、お染は以前から店の丁稚 ・久松と相思相愛の仲でした。山家屋への嫁入りは近づいてくるし、その上番頭・善六の横恋慕。大晦日の夜、難儀続きに久松は善六を殺して心中する夢を見ます。不思議なことにお染も同じ夢を見ていました。2人は死ぬことばかりを考えていました。しかし、お染を死なせては主家に申し訳が立ちません。久松は、お染を結婚させ、自分は死んで詫びようと考えます。ところが、お染は久松の子を宿していました。これでは清兵衛とは結婚できません。心配して故郷から久松を連れ戻しに来た父・久作やお染の両親の親心を知りながら、もはや二人に残された道は心中しかありませんでした。
せわ もの【世話物】
歌舞伎・浄瑠璃で,江戸時代のその時々の世相を背景として,市井の事件や著名なうわさ話などに取材し恋愛・義理・人情の葛藤を写実的に描いた作品の総称。二番目物。 時代物
おそめ ひさまつ【お染久松】
浄瑠璃、歌舞伎
1708年,大坂の油屋の娘お染と丁稚 (でつち)久松とが,身分違いの恋から心中に至った巷説を脚色した作品類の通称。浄瑠璃「お染久松袂 (たもと)の白しぼり」「新版歌祭文」,歌舞伎「是評判浮名読売 (これはひようばんうきなのよみうり)」「お染久松色読販 (おそめひさまつうきなのよみうり)」など。
◆贅を尽くした待合室

漆塗りの壁飾り-波と月

潮騒を描いた壁飾り

ウミガメのタイマイの実物標本が飾ってありました。高価なものでしょうね。
たい まい【玳瑁・瑇瑁】
海産のカメ。甲長90センチメートルほど。主に熱帯・亜熱帯に分布するが,個体数が減少。背甲は黄色と黒色の鼈甲 (べつこう)色で,高級細工物の材料とするが,ワシントン条約で商取引が禁止されている。

豪華な待合室の様子
如何でしたか。たまにはゴージャスな気分に浸り気分転換を図るのもよろしいかと存ずる。
「夏も近づく八十八夜~」という歌もあるように、暖かくなってきます・・・と言いたいところですが、亀岡では晴れていても5月2日(木)(全国的に寒い一日だったようである)は最高気温12℃という低さでありました。何を着てよいものか、迷いますわ。
ともかく、連休の合間を縫って温泉へ行き、心身をリフレッシュしてまいりました。
湯ノ花温泉のとある旅館で温泉とご馳走を堪能しましたが、ぐるりを見回すと、そこは宣伝では分からない、ミュージアムともいうべき贅沢な空間が広がっていました。
◆お食事-気に入った器

藤をあしらった台紙に乗っているのは茶碗蒸し用の椀
とろみのきいた、茶碗蒸しには丹波黒豆が浮いていました。

窓を見やると、”あれ”野生の藤が「私もお忘れなく」と咲いているではありませんか。食卓に合わせるかのように。自然のサプライズ。
「旬」とは最も日本らしい言葉の一つではないでしょうか。
◆湯殿へいざなう回廊-美術品の数々

3階建ての回廊はまるで、「吉原」のようでした。

湯殿の入口の門構え

門構えの奥に設けてあるオブジェ。
下から押し上げる水圧でぐるぐる回る球体の石

鉄線の生け花に重厚な家具

通路の片隅に彩りを添える花

組紐のオブジェの横に人形が端座しておりました。
「花ふくよかに」の題字を背に座っているのはひな人形だそうな。
幼い頃から愛をはぐくむようにとの願いなのでしょうか。

帯柄の飾り
◎ここのオーナーは祇園と深い関わりがあるようで、上七軒など芸舞子さん達の名前入り団扇がたくさん飾ってありました。

舞子の扇子さばきを見事に描いた日本画
◎今年は富士山が世界文化遺産に登録されることが決まりましたね。日本人の魂のよりどころの一つとして、大事に守っていかねばなりません。

香炉と生け花、そして、清々しい富士山を描いた掛け軸
◎吉祥紋文字八種というものを描いた珍しい作品がありました。
吉祥文字-ウィキペディア提供
吉祥文様(きっしょうもんよう)とは、縁起がいいとされる動植物や物品などを描いた図柄を言い、特に中国文化圏を中心としたアジアで広く愛されるものが多い。(参照:瑞獣・瑞鳥)

象形文字のような吉祥紋文字。中国、周時代(3000年前)の金文(青銅器文字)をかたどったもの。
-説明-
富 ウかんむり(家)の中に酒いっぱいの酒樽がある。富の象徴。
徳 行にんべんと直と心からなり、真っ直ぐな心で行うことにより徳を得る意。
喜 口の上の部分が食べ物を柔らかく煮る土鍋、この文字が出来た中国三千年前の喜びは食欲であった。
榮 たいまつを交差させた様子
豊 豆(食物を入れるもの)の中に豊富に作物が保存してある。
福 示(神にものを捧げる祭壇)の上に酒樽をそなえ、手をあわせることにより福来たる。
壽 (老人)=長寿と(田んぼの畦道)=息が長い意から壽の意
善 譱が本字、言字が欠落し、羊が残った。羊の形容は古来、美しい・立派の意、その意のみ残り、善の意となった。
※漢字の奥深さを痛感いたします。
◆大願成就したきもの、中でも人間にとって恋の成就は強い願望の一つでしょう。

大願成就「夢はかならずかなうから」
と書いた掛け軸がありました。中央に仏の絵が見える。
お祈りしなさいということでしょうか?
野崎まい~り~は 屋形ぶ~ね~で まい~ろ
どこを向いても 菜の花ざ~か~り ……
どこかで、聞いた文句ですね。このメロディ・物語に関わる文楽人形がありました。

「お染久松」の文楽人形
□染模様妹背門松(そめもよういもせのかどまつ)
「お染久松」の心中事件を課題とする世話物です。
商家の娘お染は山家屋清兵衛との結婚が決まっていましたが、お染は以前から店の丁稚 ・久松と相思相愛の仲でした。山家屋への嫁入りは近づいてくるし、その上番頭・善六の横恋慕。大晦日の夜、難儀続きに久松は善六を殺して心中する夢を見ます。不思議なことにお染も同じ夢を見ていました。2人は死ぬことばかりを考えていました。しかし、お染を死なせては主家に申し訳が立ちません。久松は、お染を結婚させ、自分は死んで詫びようと考えます。ところが、お染は久松の子を宿していました。これでは清兵衛とは結婚できません。心配して故郷から久松を連れ戻しに来た父・久作やお染の両親の親心を知りながら、もはや二人に残された道は心中しかありませんでした。
せわ もの【世話物】
歌舞伎・浄瑠璃で,江戸時代のその時々の世相を背景として,市井の事件や著名なうわさ話などに取材し恋愛・義理・人情の葛藤を写実的に描いた作品の総称。二番目物。 時代物
おそめ ひさまつ【お染久松】
浄瑠璃、歌舞伎
1708年,大坂の油屋の娘お染と丁稚 (でつち)久松とが,身分違いの恋から心中に至った巷説を脚色した作品類の通称。浄瑠璃「お染久松袂 (たもと)の白しぼり」「新版歌祭文」,歌舞伎「是評判浮名読売 (これはひようばんうきなのよみうり)」「お染久松色読販 (おそめひさまつうきなのよみうり)」など。
◆贅を尽くした待合室

漆塗りの壁飾り-波と月

潮騒を描いた壁飾り

ウミガメのタイマイの実物標本が飾ってありました。高価なものでしょうね。
たい まい【玳瑁・瑇瑁】
海産のカメ。甲長90センチメートルほど。主に熱帯・亜熱帯に分布するが,個体数が減少。背甲は黄色と黒色の鼈甲 (べつこう)色で,高級細工物の材料とするが,ワシントン条約で商取引が禁止されている。

豪華な待合室の様子
如何でしたか。たまにはゴージャスな気分に浸り気分転換を図るのもよろしいかと存ずる。