9.四国三郎に別れを告げ明石海峡大橋を渡る

瀬戸大橋を渡って四国に入ったと思ったら、5月13日にはもう戦国時代から幕末そして21世紀の現代に戻っていた。帰る先々、徳島自動車道を通る吉野川沿いには戦国武将の名前がそのまま残る三好市などがあるが、元親物語は終わったのだと自分に言い聞かせ、振り切るように突っ走っていくタカナの車。今まで見てきたものが幻のようだ。

◎歴史は容赦なく、その時々の権力者・従者も、賢者・愚者も、富豪・貧者も消し去っていく。そして、また、新たに台頭する者があらわれる。と云いたいところだが、21世紀の主導権は、人間では無さそうな気がする。

世界各地で相も変わらず愚かな戦争がつづいている。限りなく自然を破壊し続け、資源という有限なものを食い尽くし、経済活動ばかりにうつつを抜かす人類に、地球はついに鉄槌を下すかも知れない。
こんな時代には英雄はあらわれない。人間自らが生み出した法(ルール)・システムにがんじがらめになって、その包囲網から抜け出せないでいるのではないだろうか?

パーキングエリアから明石海峡大橋を望むその1 

午後3時を示す花時計

パーキングエリアから明石海峡大橋を望むその2

パーキングエリアから明石海峡大橋を望むその3

明石海峡大橋は日本人が造った巨大な建造物で、素晴らしい英知の結晶かも知れません。しかし、これから、渡ろうとするこの橋をパーキングエリアで眺めながら、頭の中が混沌としてきました。そして、大阪湾も次第に鉛色に染まっていったのです。人類の未来を暗示するかのように。

パーキングエリアから大阪湾を望む
【明石海峡大橋の概要】ウイキペディアより
全長3,911m、中央支間1,991mで世界最長の吊り橋である。明石海峡大橋の主塔の高さは海面上298.3mであり、国内では東京スカイツリー(634.0m ※2012年竣工時の高さ)、東京タワー(333.0m)に次ぎ、横浜ランドマークタワー(296.3m、海抜は300mで同じ高さとなる)を超える高さの構造物である。1998年(平成10年)4月5日に供用が開始された。建設費は約5,000億円。