2023年10月25日(水)

 

10時 データインザパーク視察

(視察概要)

メルボルンの公園におけるICT活用・データ収集の状況確認。様々なセンサーを公園内に配置し公園の状況を把握。簡易センサーが一つ約2万円、気候など複雑なセンターが一つ約60万円。

ベンチにセンサーを付けることによりどの時間帯に誰が利用しているかの把握。夜間行政の福祉が必要な方が利用していないか、設置場所が適切かを把握。

遊具に取り付けることにより、遊具の利用回数・利用時間を把握。費用対効果、ニーズ把握に利用。

その他人流や大気の状況等様々な公園内におけるデータを収集し、オープンデータとしてホームページに公開

メルボルン市として気にしているのはプライバシーの確保。個人情報収集に関しての市民の問題意識は高く、個人情報を集めてしまわないように、カメラの利用は防犯以外では避けている。

 

10時半 ヤラ川周辺視察及び昼食を取りながらの都市計画に関する意見交換

   (視察概要)

ヤラ川を低いボートで運行しながら、都市計画の説明を受けながらの視察及び意見交換。ヤラ川は大阪でいう淀川とほぼ同じ位置づけであり河口が港になっている。もともとは上流部に港があったが、市内人口の増加に応じて、河口部に港を移転した経過がある。

港移転や都市部の拡充に応じた都市開発において、メルボルン市は安価での民間への土地売却により、都市整備そのものを民間に委ねる都市開発を選択。学校、図書館、医療施設等公共に必要な施設の整備も民間に任せる形で開発を進めた。また係留部分も含めた民間への土地売却も行われたことにより、港の一部を民間が所有している。民間に任せることにより行政投資が少なくすんだ一方で、公共機能の整備に時間がかかり公共の意図とずれることも多々発生した。

 

13時半 ALL energy Australia への参加

(カンファレンス概要)

オーストラリアのゼロエミッションへの取組に関するカンファレンス。オーストラリアにおける取組を聞くとともに、大阪の取組を市長よりプレゼンテーション。

ビクトリア州においては、ゼロエミッション達成を法制化。これにより積極予算を投じることにより目標達成にまい進している。ただ脱カーボンにおける技術は中国がリードしており、脱カーボンに必要なEV関連のものも含めた各種技術資源に関しても相当中国が押さえてしまっている。

太陽光のコストは相当下がってきており、ゼロエミッションに向けてはこれが主力になっていくと思われる。

 

 

14時半 ALL energy Australia 会場視察

   (視察概要)

ビクトリア州とゆかりの深いエネルギー企業との意見交換。法制化されたゼロエミッションに向けてエネルギー企業は全力で取り組んでいる。ビクトリア州では個人への補助よりは、影響の大きい事業者に取り組ますためのインセンティブの用意に舵をきっている。自然由来エネルギーとしては、太陽光と風力が選択にあがっているが太陽光の普及が相当程度進んできているのに対して、風力はあまり進んでいない。

ただ太陽光発電はどうしても電力創出にムラが起きやすく、日に少ない時期に電気を利用するための蓄電技術や効率向上に注力している。

またオーストラリアにおける電力コストは相当程度上がっており、問題となってきている。

日本においてはゼロカーボンを進めるための資源が乏しいため、CO2発生の少ない代替機能を模索するのも大事だが、既存設備のCO2の発生を抑えるための省エネ技術の向上の方が現実的な側面もある。

 

17時 クリケット場視察

(視察概要)

ビクトリア州が土地を保有し民間管理されている11万人収容のクリケット場視察。メルボルンはスポーツを雇用を生み出す産業として重視し様々な誘致に積極的に取り組んでいる。長年の取組で全豪オープン、F1、様々なビッグイベントを手掛ける。このクリケット場は1年をクリケットとオーストラリアフットボールで半々で行っており、オーストラリアでは両スポーツとも大人気である。

 

18時半 メルボルン市視察歓迎レセプション

(レセプション概要)

メルボルン市主催の歓迎レセプションで、市長・副市長・市議会議員をはじめとして要人参加。メルボルンの聖地ともいえるクリケット場のレセプションルームでのレセプションで大変盛り上がった。冒頭のあいさつで原住民の方からの挨拶もあった。会場が神妙な雰囲気になり、この問題の重さを感じる。この土地を所有してきた先住民の方とイギリスからの移民の方の難しいいきさつの話もあった。ちょうど少し前オーストラリアでは原住民の方への敬意を表するボリジニなど先住民を巡る憲法改正の是非を問う国民投票が実施され、反対多数で否決されたらしく難しい問題になっている。

着席パーティーで、隣がメルボルン市議会議員の方であった。とってもきさくな方で市政について意見交換させていただいた。ここでもやっぱり語学力が足りないので、会話はほんと苦しい。メルボルンの選挙の話とか色々話できたが、どうしてももう少し語学力があればなーと思ってしまう。

 

(10/25雑感)

公園・都市計画・環境と盛りだくさんだった。

公園のICT活用に関しては大阪でもすぐにやってほしいと思った。現行の技術で問題無くできる。オープンデータに関してもメルボルンでは分かりやすくアップされている。本市のオープンデータはあまりにも見にくく市民に見て欲しいとすら思ってない。抜本的な意識改革が必要だと感じる。

都市計画については整備して高く売るか、安く民間に売って開発されるか色々な考え方はあるだろう。今後夢洲2期3期と続く。係留所も民間で管理させる選択もあるように思う。

またエネルギーに関しては、メルボルンはゼロカーボンを真剣に達成するつもりでいる。発電に関しては太陽光に全振りしているが、大阪における進め方は考えたい。CO2排出の主な原因は向上などの産業や運輸でああり、個人の影響は少ない。企業に対してどう脱カーボンを進めさせるのか、EVの普及をどう進めるのか、充電設備をどう配置するのか、施策で考える必要がある。