7/29この日は潜り漁と趣味でやってる遊びの籠
こんなタコでも、1日2日ちょっと溜めて出荷すると1万円、2万円のお金になる。
自分の技術をお金に変えるって結構大変だけど重要な事ですよね。
自分の仕事は○○で、こういった仕事で生計を立てている。
その中には資格を持っていなければできない仕事や、特別な技術がないとできない仕事があったりします。
結構色々な人と話してきたけど、多くの人が「資格」という物をかなり重要視しているという事
勿論仕事に応じて必要となってくる資格はとても大切な物だけど、多ければ多い程良いみたいな。
それに今現代は聞いた事も無い様な、その資格をどこでどうやって生かしてお金に変えているのか。
仕事に生かしているのかよくわからないものも多い気がする。
新しい資格を作って、それを利用して稼いでいる会社も多くあるのも事実だと思う。
聞こえのいい資格を作って、それを取って満足しているのは資格が無いと不安な本人と、金をもらっている会社だけだと思うが。
多くの資格を持っているからって、その人がとても仕事ができて生産性が高くて
その持っている資格の仕事を効率よく行えるかと言ったらそうじゃない。
多くの資格を持っているからと言って、すごい人な訳でもないしえらい訳でもない。
自分に自信が無いから資格をとって少しでも箔をつけようと必死になっているのかわからんが。
所詮金で解決できる様な自信なんてものはすぐに剥がれるもんです。
船の船舶免許なんて数日でとれます。
一級小型船舶免許
なんてえらそうな名前の資格ですが、それがあるからと言って船をちゃんと操船できる訳じゃないですしそれでお金を稼げる訳でもないです。
こんなのはただ
「船を前進できます。船をバックする事ができます」
この程度の資格。
勿論これがないと保安庁につかまってしまうので絶対的に必要な資格ですが。
自分は毎日の様に船を操船していますが、未だに思い通りに船なんて動かせません。
そして遊漁船主任者という資格も持っています。
これは適当に座学をして金を払えば貰える資格
これも遊漁をやる際には絶対になくてはならない資格
そして、多分この座学を聞いたからと言って船の上で何かあった時に対応できる技術が身につくかといったら全く持ってそうじゃない。
どれだけ長い事船の上で仕事をして、揺れの中で自然と動けるかが大事だと思う。
漁船は時化具合にもよるけど一ヶ月は乗らないと船の上で自由に動いて仕事なんてまずできないです。
ただ、この二つの資格と小型船舶機構の検査がOKなら人を船に乗せられます。
何かあった時に救助する知識はあります。
という事。
波と風も知らない
船の上でもまともに歩けない
海の恐怖も知らない
そんな人でも、同じ肩書きになってしまう。
これはすごい事ですよね。
結局資格なんて持っていた所で、殆どの場合、その職業に就いて毎日実践に触れていない資格なんてほぼ無意味に感じてしまう。
技術がゲームの様に数値化されている訳でもないので、実際に他人にはわからない訳ですから。
それじゃあ、同じ肩書きでも歴然と差が出てしまうのは
いかにその資格の仕事を長い時間行いお金を稼いでいるかという事。
資格なんて言わばスタートラインに立ってみました。
って合図みたいなもんですね。
自分の漁師の今の仕事。
潜りやイカ漁
漁場に往復するためだけに必要なのが
小型船舶免許
無線免許
の資格
潜りはいかに地先の瀬を知っているか
潮の速さによって異なるアワビ、サザエの効率のいい獲り方
アワビを多く見つけ、傷つけずに獲る為の技術
深く潜る為の息の止め方や耳抜き
獲ったアワビやサザエを綺麗に生かす技術
イカ釣りなら
シーアンカーの入れ方、深さ調整
大陸と瀬での潮の流れの違い
時期と天気によるイカの場所の違い
効率よく多くの仕掛けをさばき多くのイカを上げる技術
時間で棚の変わるイカを早く見つけ出す技術
釣ったイカを綺麗に並べて出荷する技術
何年も何年もかかる技術です。
資格を取る100倍も1000倍も時間がかかります。
金を積んでも得られる技術じゃないです。
自分で汗水垂らして奔走して、鼻から血を流して手に何度も針をぶっささって何度も何度も失敗しなければ得られない物。
こんな物に資格もありません。
けれど、これを習得しておけばこれから先ずーっとお金をもたらしてくれる技術ではあります。
これから先、自分も死ぬまで漁師で食べていけるかわかりません。
漁師の仕事を廃業してどこかに勤めながら兼業漁師をするかもしれません。
ですが、この技術さえしっかりと磨いておけば週末だけ遊漁や、イカ釣りと潜りを行っても30万、40万円のお金を稼ぐ自信はあります。
網や籠だけうっておいて、週に2回だけあげるだけで初任給の半分位の稼ぎにもなるでしょう。
今から俺がどこかで勤めようと思っても、32歳で漁師をしていた人なんてなかなか就職は難しいでしょう。
妻「もし子供ができたら漁師にさせるの?」
俺「なりたいって言ったらならせるけど、なりたくないって言うなら好きにさせるさー」
妻「漁師の手伝いをしたくないって言ってきたら?」
俺「それは問答無用でやらせる。親とはいえ他人に生かされている人生なんて歩んでいたら甘ったれに育つからな。金を稼ぐ大変さを身をもって味あわせる」
妻「じゃあ漁師になりたいって言ってきたら?」
俺「漁師になりたかろうが、なりたくなかろうが、もぐりとか釣りとかの技術は教えるよ。俺が親として子供に教えられる技術なんて料理とこれ位だしな。それに何があってもここに戻れば稼いで生きていける技術があるって自信があればその子の為にはなると思う」
妻「ふーん。女の子だったら」
俺「多分溺愛して甘やかしまくる」
妻「笑」
世の中肩書きばっかりが増え続けて、それで人を判断する世の中になってしまうのはとても悲しい事だと思います。
その人となりを見る時間も無い世の中なんでしょう。
自分も東京の会社で面接を担当していた時は、履歴書によくわからん資格をいっぱい書いてある人に何度も何度も会いました。
多く資格を持っている事はすばらしい事ですが、まるで畑違いの仕事の会社だったので色々な物のスタート地点に立ってみたものの、踏み出せない人か知識を生かすことができない人かなという印象を得ました。
実際入社してもすぐやめてしまったし。
その点今でも覚えているのが、たいして資格は無いけど写真が好きで草花が好きで詳しいです!って言ってきた人
帰りに道端の草花を聞いたらすぐ出てくるレベル
おお、すげーな!と
好きな事を調べて、研究して記憶する技術がある人なんだなと。
その草花は仕事じゃやくに立たないけど、好きに対する姿勢とそれを身につけるに至った技術がすごいと。
実際に入社してからも好きな仕事に対してはすごい人やった。
資格や肩書きだけで人を判断するのは愚かだと思う経験は何度もしてきたけど
技術を持っている人は、本当にその技術みたいな人と性格なので面白い
自分も漁師という肩書きだけじゃなくて
技術と経験をしっかりと磨いて名前負けしない漁師になろう。
