太平洋の奇跡
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太平洋戦争では激戦地となったサイパン島で、
1944年、たった47人の兵力で4万5,000人ものアメリカ軍を翻弄し続け、
アメリカ軍から「フォックス」と呼ばれ、恐れられた実在の日本人、大場栄大尉(竹野内豊さん)の実話を映画化した戦争ドラマです。
アメリカ軍が上陸し制圧したはずのサイパン島。
タッポーチョ山に潜み、たった47人で16ヶ月間アメリカ軍と立ち向かい、民間人200人を守った、隠れた英雄の物語。
玉砕戦であったことを思えば、軍人としては死ぬまで戦うのが使命だったのでしょうが、
"命を無駄にしないさせない"、そんなリーダーがいたことは感慨深いものがあります。
米軍を敵視する態度が、彼らとの触れ合いを通じて少しずつ和らいでゆく様子が丁寧に描かれていたと思います。
米軍から見ると、日本人の文化を理解しようとする姿勢や、これ以上の犠牲を出したくないという様子もよく描かれていたと思いました。
グアムとともに、今や身近な観光地となったサイパンですが、
戦後60年を過ぎてもその傷跡は生々しいものがあります。
戦争は人災だから相手こそは違えど、
非情な形で大切なものを失っていくという場面では、今回の東日本大震災に重ね合わせずにはいられませんでした。
絶望の中、人はどう立ち上がっていけるのか。
心から思ったことは、たくさんの命を奪う戦争を人間の意志で、絶対に起こしてはいけないということ。
「我々は前を向いて生きなければならない」
映画を見ながら、命の尊さ、家族の絆、人を思いやる気持ち、生への執念、自己犠牲…
自分たちが守らなければならない大切な人の事を強く思える気持ちにさせてくれる映画でした。