シンガポールで人気のメンバーシップ系のワイン&ダイニングレストラン「Wabi-Sabi」や、「高間慎一氏 シンガポール創業カンパニー」、不動産事業などを経営している高間慎一氏に、ビットコインの概要やリスク・リターンについて伺ってみました。
高間慎一氏のプロフィール
高間慎一氏は、シンガポール在住の日本人億万長者。
幼少期や青年期をお金に悩みながら日々を過ごし、高卒後に会社を起業し、見通しの甘さから倒産。その際に借金を背負うが、現在は巻き返すことで億万長者となるといった波瀾万丈な人生を送っている人物です。
そんな高間慎一氏の人生の転換点となったのはビットコインの存在でした。
高間慎一氏は、ビットコインバブルの波を乗りこなすことで借金を完遂し、過去の失敗を踏まえながら再び企業を行うことで、現在はシンガポールを拠点に飲食店・マーケティング事業・不動産事業を経営する実業家として成長。
今では、シンガポール在住の日本人億万長者として注目も集めています。
また、実業家として複数の会社を経営している高間慎一氏は、投資家としての側面も有している。
最近では、米国で海藻テックを展開するCashi Cake inc.(本社:カリフォルニア州ロサンゼルス、CEO :三木 アリッサ)に投資を行うといったエンジェル投資家としての活動も始めている。
ビットコインとは
インタビューの内容について語る前に、事前知識としてビットコインについて軽く説明します。
そのため、既にビットコインについて詳しく知っている方は読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
ビットコインとは、世界で初めて登場したブロックチェーンを基盤としたデジタル通貨のことです。
そのため、既にビットコインについて詳しく知っている方は読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
ビットコインとは、世界で初めて登場したブロックチェーンを基盤としたデジタル通貨のことです。
特徴としては、円やドルなどの法定通貨で言うところの中央銀行(管理者)が存在しない点でしょう。
ビットコインは、恐らく日本で流通する暗号資産の中で最も有名なデジタル通貨なこともあって、「ビットコイン=暗号資産」と思っている人も多数います。
しかし、実際はビットコインと暗号資産は同義語ではありません。
日本円やアメリカドル、ユーロなどが「通貨」というくくりの中に存在するように、ビットコインは世界中に数多ある暗号資産の一種です。
そんなビットコインは、ネット上にて「Satoshi Nakamoto(サトシ ナカモト)」と名乗る人物が2008年10月に投稿した論文から始まりました。
この際に投稿された論文は、国家・銀行を介さない分散管理型の暗号資産について書かれたものでした。
その投稿から約3ヵ月後、ナカモト氏の論文を基にしたオープンソースのソフトウェアが2009年1月に作られます。そして、このソフトウェアこそがビットコインの最初期の姿です。
しかし、この従来の通貨と比べると、中央集権的な管理者のいない金融システムである「暗号資産」は異形とも言える発想です。
また、ブロックチェーン技術的難易度も相まって、ビットコインは非常に斬新的な存在ではあったものの、当時は受け入れられることはありませんでした。
しかし、その約1年後の2010年2月には、初のビットコインの取引所が開設、すぐに取引が始められ、現在の世界最大規模の暗号資産へと至っています。
高間慎一氏へのインタビュー
ここからは高間慎一氏へインタビューを行い、教えてくださった情報を紹介いたします。
ビットコインマイニングは再生可能エネルギーの比率が高く、また電力価格の安定供給に貢献している
ーービットコインマイニングが電力価格の安定供給に貢献しているという情報を聞きましたが、それは本当なのでしょうか?
恐らくその情報は米国のことをいっているのだと思います。
まず前提としての知識ですが、マイニングにはある程度、環境へダメージを与えてしまうといった負の側面があり、それに対してよくマイニングは環境に悪いと指摘されます。
確かにマイニングに使用される電力の多くを火力発電に頼れば、こうした発言を言っている人達の意見は正しく、環境へのダメージは多いでしょう。
しかし実際の所、マイニングに使用される電力の多くは再生可能エネルギーが用いられているため、環境にはそれほど悪くないことが判明しています。
事実、ビットコインマイニングに使用されている再生可能エネルギーの比率は50%以上になったと、ブルームバーグアナリストが指摘していますので、この情報は間違いないでしょう。
こうした側面から、日本やシンガポールではそこまで評価されてはいませんが、米国ではマイニング企業が地域の電力に安定供給をもたらすとしてポジティブに評価され始めています。
特に、テキサス州ではポジティブに評価されているようです。
この要員としては、テキサス州の電力市場はフリーマーケットが用いられているからですね。これにより、テキサス州の電気代は年間を通じて上下するといった変動が発生します。
マイニング企業は、この電気代が高騰したタイミングに、ビットコインのマイニングに使っている電力を自身で使用せず、地域に電力を供給することでより高いリターンを得ます。
もちろんこれは善意によるものではなく、ビジネス・利益のための行為ですが、結果的にマイニング企業によって電力が供給されることで、電力価格の高騰が抑えられているというわけですね。
これにより、地域の消費者は安く安定した価格で電力を利用でき、マイニング企業はマイニングよりも高いリターンを得る手段を入手したわけです。
つまりマイニング会社の商売の副次効果として、電力価格の安定化に貢献する仕組みが自然と完成し、結果的に地域も企業もビットコイナーも幸せになる関係性が生まれました。
実際、あるマイニングの上場企業は、売上の半分程度が地域への電力売却益、残り半分がビットコインのマイニングによる売却益のようです。
こうした点を踏まえると、ビットコインマイニングが電力価格の安定供給に貢献しているという話は間違っていないと言ってもいいでしょう。
ビットコインマイニングによってこれまで捨てられていたエネルギーに価値が生まれた
ーー電力価格と暗号資産。一見関係なさそうな2つですが、実はそのような深い関係性があったのですね。最初は良く意味を理解していませんでしたが、説明していただくことでようやく仕組みが理解できました。
お役に立てて良かったです。
お役に立てて良かったです。
ちなみに、ビットコインマイニングには電力価格の安定以外にも、思わぬメリットも生み出しています。
先も言ったように、ビットコインのマイニングの存在によって、より需要が大きい場所へ価値を移動させることで、電力の価値保存が可能になりました。
つまり、今までは足りなければ価値が高騰し、余れば捨てられていたはずのエネルギーに、無駄を作らない安定した有効活用方法が作られたわけですね。
この関係性が更なる副次的メリットを生み出しました。それは、電力が発展していない地域の開発を進めやすくなったことです。
日本やシンガポールと言った発展した国ならともかく、極東などのエネルギーはあるが、逆に言えばエネルギー以外には何もない地域では、電力を発電するのは勿体ないとこれまでは考えられていました。
そのため、こうした人口も少ない何もない地域のためだけに発電・開発が進められることはありませんでした。
しかし、こうした地域にもしマイニング施設を作られ、電力を供給することが出来るようになればどうなるでしょうか。
マイニング施設が電力の需要を生み出すのはもちろん、地域に電力の需要がある時は電力を供給し、電力の需要がない時はビットコインをマイニングする、といったスキームを行うことで、安定した電力の供給も行いやすくなります。
つまり、キチンと商売が成り立つ安定した土壌が作られるわけですね。
これらは以前からビットコイナーが主張してきたことではあるのですが、最近になってようやく認められつつあります。
ビットコインマイニングにおける勝利の必須条件
ーーありがとうございます。おかげでビットコインマイニングについての基礎的な知識を知ることが出来たと思います。それでは最後の質問であり、最も多くの人が知りたい情報だと思いますが、ビットコインマイニングで勝利するための方法を教えてください。
そんな方法はありません。と、一言で言ってしまえば簡単ですが、それでは夢も希望もありませんので、勝つための方法ではなく、勝つために必要な条件をお教えしましょう。
そんな方法はありません。と、一言で言ってしまえば簡単ですが、それでは夢も希望もありませんので、勝つための方法ではなく、勝つために必要な条件をお教えしましょう。
まず第一にですが、ビットコインのマイニングは基本的にハイリスク・ハイリターンです。決して、楽しつつリスクなく儲けられるという類の旨い話ではありません。
そのため、ビットコインのマイニングを利用するには、ビットコインマイニングにロマンを感じる方や将来性があると信じている方であり、一定のリスク・リターンを受け入れられるかつ余剰資金がある人・企業に限られるでしょう。
--誰でも出来るというものではないのですね
そもそもマイニングを行うためには色々と必要なものがあります。具体的にはマイニングマシンと高い電気代を支払うだけの資金が必要です。
そしてこの2つは、始めるのに必要なだけではなく、ビットコインマイニングで勝利するためにはかなり重要な要素でもあります。
またこの2つ以外にも、ビットコインマイニングの収益を左右する要因は存在します。
1つ目がビットコインの価格です。これはそのままの意味ですので、特には語りません。
そして、2つ目はネットワーク上の計算力、つまりマイニングマシンの性能ですね。
ビットコインの価格は上がっていくことでどんどんと参加者は増えていきます。
それは同時に、マイニングマシンを買う人が増え、より高い計算力が求められるようになることと同義です。
するとどうなるかというと、マシン一台あたりの収益はどんどん少なくなっていきます。そのため、常に集団の中で高い計算力を維持するのが大切になってきます。
そして、3つ目の要因としてマイニングマシン自体の価格も上げられます。
高性能なマイニングマシンを購入しようとすると、そのコストは馬鹿になりません。また、マイニングマシンの価格はビットコインの価格に比例しますので、どのタイミングでマイニングマシンを購入するかという判断も、ビットコインマイニングで勝利するためには重要なポイントです。
そして、最後に4つ目の要因として、先述した電気代が上げられます。
というのも、マイニングのコストにおいて一番高いのは、マイニングマシン自体ではなくてマイニングに使う電気代なのです。
そのため、日本は比較的電気代が高いこともあって、マイニングマシンを買っても日本でマイニングを行わない人も多数います。ちなみにシンガポールも電気代は高い方です。
こうした電気代が高い国と比べると、電気代が安い国・地域でマイニングを行った方が勝率が高くなるのは必然です。そのため、日本やシンガポールではマイニングを行わない人がいるのも当然な話ですね。
無論これらは絶対ではありません。日本やシンガポールでマイニングして勝つ人だっているでしょう。
しかし、こうした点を無視し、ビットコインマイニングを短期的に捉えて行動をすると、ほぼほぼ失敗するでしょう。
実際、私が調査した限りではありますが、ビットコインで損をした経験がある人のほとんどが、マイニングを短期的に捉えがちな人ばかりでした。
そういった意味では、ビットコインマイニングで勝利するための方法は、短期的・短絡的に考えず、長期的に捕らえることと言えるでしょう。
正確には、しっかりとお金をかけてマイニングマシンを準備し、電気代を旨くやりくりしつつ、ハイリスク・ハイリターンであることを意識しながら、長期的な目線でマイニングを行うのが勝利するための必須条件でしょう。
そこに時の運が重なることで大きく稼げたり、稼げなかったりするわけですね。