2016年3月30日。

 

不安と希望を抱えながら起床した。

この日はいつもと違った景色に見える。

 

東大病院まで約3時間の道のり。

この診察がわずかな希望となるか・・・

電車からバスに乗り換えやっと着いた。

 

・・・でかい・・・これが東大病院に対する印象だった。

受付でもたもたしてしまったが診察の時間になった。

東大病院の呼び出しベルが鳴り先生の元へ。

 

紹介状とデータを見ながら先生は言った。

「このデータを見る限りでは膀胱全摘出でのストーマ取り付けになると思います。

 新膀胱を作る場合、尿道、膀胱出口付近にガン細胞がない事が条件です。

 このデータ上だと微妙な位置にあるのでリスクが伴います。」

 

終わった・・のか・・・諦められずどうしてもストーマを付けるのは抵抗がある事を伝える。

すると先生は気持ちを受け取ってくれ、

「できる限りの可能性を考えカンファレンスにかけて検討させてください。」

 

そしてこの日の診察は終わった。