絶対に無くしたくない落とし物


よりによって チェーンが外れて 


落としてしまった


それは形見の指輪



僕は必死で


まだ見ぬ未来を


きっと良いものになるかなんて


そんな事すら考えもせず


小さな子供を抱いて 飛び出した



すぐに


置いてきた 荷物達が


恋しくて 取りに帰りたくて 


苦しくて 苦しくて



飛び出した先にいた 


数々の 似た悩みを持つ 被害者のママ達と


間違いなく楽しく過ごしてきたはず


やがて 自分が越した後に


有りもせぬ 噂を流した張本人は


1番仲良く笑いあったあの子だ



そうだ 未来を


絶対に 良いものと 捉えているから


僕達は 傷つく



無意識に 明日は 明日こそはと


期待を持っている



それを受けられずに


喪失したような 錯覚に陥いるけど



実は


その失った


何倍の 喜びを


運命が運んできた



人は言う


早いとか 遅いとか



今じゃないとか



だけど



明日 もし 自分は 居なくなっていたなら



ほんとうに 君は



今じゃないとか


早いとか 


少し待てとか



言えると思う?



あなたは



そのステージに



立とうとする事すらせずに




失ったもの



実は



埋める為の



最大な 宝物を



運命は



用意してくれていたんだ



だから



失ったもの



それは



スペースを空けてくれていたに 過ぎなくて




ありがとうと



思うんだよ