時の記念日生まれらしく
時間には厳しい人だった
父と母は小学校の先生だった
核家族で共稼ぎ
私達姉妹3人を必死に育ててくれた
今のような便利な物のない時代
毎日の食事の用意だけでも大変だったと思う
数年前から認知症が始まり、今は施設に入っている
でも私達の事はよくわかる
顔出すと名前を呼んでくれる
今日はささやかなプレゼントを持って顔を出した
「82歳おめでとう。いっぱい頑張ってきたよね。ほんとにありがとう」
と手を握りながら話す。
「うん。お母さんはね、お前は成績が良いからって学校行かせてもらったんだよ(教員になる為の大学の事)。」
と嬉しそうに話す
以前は文句の多い人だった
けれど今日は
「みんな良い人。悪い人は誰も居ないんだよ」と。
嬉しそうに昔の話をしてくれた
「うん、うん」と聞く
仕事に行く時間になったので
「仕事行くね。また来るね」と言って笑うと
母もニッコリ笑って
「涙が出るよ。なんか涙出るよ。大丈夫だよ。
心配しなくていいよ」
私もつられて笑いながら涙。
胸がいっぱいになった
同じ気持ちを感じた
小学生の頃
母が旅行に行っていなくて
写真を見て泣いた事思い出した
母になるべく会いに行こう
今ならまだ触れて、話せる…