先週の土曜日、近所のコンビニで買い物を終えた途中に
3~4歳ぐらいの女の子の泣き叫ぶ姿に遭遇しました。
どうやら道路に面した公園で遊んでいたのですが、お母さんがいなくなった
らしいのです。
「マァマァがいなくなったぁぁぁぁぁ!!」

以前でしたら子供に話しかけて
「一緒に探そうか。」
などと自分の風貌にふさわしくない言葉を発しながらお母さん探しをしたり、近くの交番まで連れていったものです。

しかし、今回はご用心。見て見ぬふりをしようとうまく通り過ぎることを
試みたのですが、こちらを向いて、近づいてくるではありませぬか!

さすがに観念した僕は、とりあえず女の子を交番までの数百メートル、
キョロキョロ、コソコソしながらなんとか目的地までたどり着きました。

ここまで読んで、
「なんて不誠実な物言いかしら。このアホ管理人は!」
とはお思いになさらずにちょっとお持ちくだされ。


最近、少女連れ去り未遂事件や誘拐事件が増えていることをさすがに知っている
僕としましては、善意で女の子を交番まで送りとどけるまでの間、その女の子
のお母さんや、ご近所さんに出くわすことが怖いのであります。
もしも途中でお母さんに出会えば、
「アンタ、うちの子に何するねん!!」
と言われ、逆に警察につき出されでもしたら.....
という守りの姿勢。
そんなこと、気にしなくてもとおっしゃる方もおられますが、

浜田寿美男著 「取調学の心理学」

を読破してしまった後ではこういう考えもありなのです。

つまり、ある事件が起き、容疑者を署に連行した後に、
「取調べ」
という定例行事が待っています。
世間には全く公表・公開されず、密室の中で繰り広げられる取調官の
「最初からこいつは犯人だ」という先入観による一方的な尋問に、
やってもいないのに
「僕がやりました。」
と言わざるをえない状況がはやまった逮捕という結果を招き、
その後、一通りの手続きを経ての裁判において
「実はやっていない。」
などと180度あさっての主張へと変わることが現実にあるというのです。

本書は、実際に起きたいくつかの殺人事件による誤認逮捕に至るまでの経緯を例に挙げ、具体的な説明と同時に、時には事件現場の地図を用いて読者を納得への道へと招いてくれます。
大げさに言えば、
著者の読者による本という密室の場での取調べ
なるほどっと思わせてしまう著者の心理学にtakam16は
「ま、参りました。」
と本に対して自白したことをこの場を借りて申し上げておきます。



著者: 浜田 寿美男
タイトル: 取調室の心理学