日本のことを紹介した他国の人間による作品は残念なことに、
日本の事実をしっかりと捉えきれたモノは非常に少ないのが実感です。
それは特に文化面でして
サムライ、
芸者、
の誇大な説明はあたりまえ。
どこの国でも世界地図は自国を真ん中に据えて、
「あんな遠いところにあるのか....」
とため息混じりにつぶやく姿が目に浮かびます。
日本から見て、遥かかなたの国といえば
南アフリカ
アイスランド
あたりでしょうか。
しかし、西欧諸国は間違いなく 日本 でしょう。さすが、far east と言われるだけのことはあります。 最近では直行便も増えて、10時間以内のフライトで行けることを知った ヨーロッパの人々に、日本に対する親近感もチラホラと出てきているようです。
さて、「戦争」という言葉で連想する地域・国家といえば
中東
イラク
アメリカ。
外国のことを書いた本は、その国の人に聞け!!
という一節に心を許している僕です。 ここは同盟国のアメリカがなぜ戦争をするのかという理由を 同国人がどう語るかを知るために
トマス・バーネット著「戦争はなぜ必要か」
を読みました。
ただし、著者の立場はアメリカ国防総省で戦略計画補佐官を務めた人物。 よって、戦争支持派に入ることは自然の成り行きです。
そして、以下の考えは国内において論争を巻き起こしながらも、
おそらくはこれからのアメリカの進む道になるので、ここに紹介したいと
思います。
著者によると、冷戦が終結してから同時多発テロが起きるまでの10数年の間
「ペンタゴンは何をしていたのだ!!」
と、テロにあった原因をペンタゴンの戦略の無能さに求めています。 ソ連という敵を失った結果、仮想敵国として中国を想定したが、 その見解は誤りであり、国家間の戦争は既に過去のものとなり、
もっと小さな存在に気を配るべきだったと
過ちを指摘します。
その小さな存在こそが、タリバンやオサマ・ビン・ラディンといったテロリストや、危険な武器を持っているであろうイラクやイラン、北朝鮮だと言います。
そして、ここが重要なポイントなのですが、世界を2つの種類に区別します。その
1つは機能する中心、もう1つは統合されない間隙です。
そして後者はもちろん政情不安のある危険視された国々であり、それらの共通項は
独裁、貧困、暴力です。
それらから人々を助けだし、機能する中心へと導くために戦争をするのであり、それはアメリカが中心となって行うべきだと言います。なぜなら、最も強力な軍事力を持ち、他国が自国防衛を主にしている一方で、唯一同盟国、協調国の防衛をしているからです。
アメリカは物事を点で捉えるのではなく、将来のためという線で捉え、安全保障を将来的にどんどん輸出していくことで、全世界の平和をかなえるという姿勢です。
そして、そういう全世界の平和のための、平和のための戦争には
同盟国・協調国の協力が不可欠だ!!
と魂を込めて語るのです。
翻訳の仕方もあってか、やはり哲学書・啓発書・主張の類は正直、非常に読みにくい文章です。しかし数百ページにわたる主張は上記のことの繰り返しです。
著者の考える世界平和は結局のところ、
アメリカ中心の世界平和です。アメリカを輸出することが世界平和と捉えられても仕方がない考え方です。
そして統合されない間隙を機能する中心にするという主張は、前者にイラク、イラン他中東諸国がほぼ含まれており、その点では
イスラム社会をキリスト教社会の民主主義国家にする
戦略にも見えてしまい、結局は
宗教の侵略戦争
かと思ってしまいます。著者は宗教の問題は違うと否定しますが、本書にたった一言だけ
「私は熱心なカトリック信者だ。」
と述べているのですから。
どうやら、宗教について詳しく調べなければ......

著者: トマス バーネット, Thomas P.M. Barnett, 新崎 京助
タイトル: 戦争はなぜ必要か
日本の事実をしっかりと捉えきれたモノは非常に少ないのが実感です。
それは特に文化面でして
サムライ、
芸者、
の誇大な説明はあたりまえ。
どこの国でも世界地図は自国を真ん中に据えて、
「あんな遠いところにあるのか....」
とため息混じりにつぶやく姿が目に浮かびます。
日本から見て、遥かかなたの国といえば
南アフリカ
アイスランド
あたりでしょうか。
しかし、西欧諸国は間違いなく 日本 でしょう。さすが、far east と言われるだけのことはあります。 最近では直行便も増えて、10時間以内のフライトで行けることを知った ヨーロッパの人々に、日本に対する親近感もチラホラと出てきているようです。
さて、「戦争」という言葉で連想する地域・国家といえば
中東
イラク
アメリカ。
外国のことを書いた本は、その国の人に聞け!!
という一節に心を許している僕です。 ここは同盟国のアメリカがなぜ戦争をするのかという理由を 同国人がどう語るかを知るために
トマス・バーネット著「戦争はなぜ必要か」
を読みました。
ただし、著者の立場はアメリカ国防総省で戦略計画補佐官を務めた人物。 よって、戦争支持派に入ることは自然の成り行きです。
そして、以下の考えは国内において論争を巻き起こしながらも、
おそらくはこれからのアメリカの進む道になるので、ここに紹介したいと
思います。
著者によると、冷戦が終結してから同時多発テロが起きるまでの10数年の間
「ペンタゴンは何をしていたのだ!!」
と、テロにあった原因をペンタゴンの戦略の無能さに求めています。 ソ連という敵を失った結果、仮想敵国として中国を想定したが、 その見解は誤りであり、国家間の戦争は既に過去のものとなり、
もっと小さな存在に気を配るべきだったと
過ちを指摘します。
その小さな存在こそが、タリバンやオサマ・ビン・ラディンといったテロリストや、危険な武器を持っているであろうイラクやイラン、北朝鮮だと言います。
そして、ここが重要なポイントなのですが、世界を2つの種類に区別します。その
1つは機能する中心、もう1つは統合されない間隙です。
そして後者はもちろん政情不安のある危険視された国々であり、それらの共通項は
独裁、貧困、暴力です。
それらから人々を助けだし、機能する中心へと導くために戦争をするのであり、それはアメリカが中心となって行うべきだと言います。なぜなら、最も強力な軍事力を持ち、他国が自国防衛を主にしている一方で、唯一同盟国、協調国の防衛をしているからです。
アメリカは物事を点で捉えるのではなく、将来のためという線で捉え、安全保障を将来的にどんどん輸出していくことで、全世界の平和をかなえるという姿勢です。
そして、そういう全世界の平和のための、平和のための戦争には
同盟国・協調国の協力が不可欠だ!!
と魂を込めて語るのです。
翻訳の仕方もあってか、やはり哲学書・啓発書・主張の類は正直、非常に読みにくい文章です。しかし数百ページにわたる主張は上記のことの繰り返しです。
著者の考える世界平和は結局のところ、
アメリカ中心の世界平和です。アメリカを輸出することが世界平和と捉えられても仕方がない考え方です。
そして統合されない間隙を機能する中心にするという主張は、前者にイラク、イラン他中東諸国がほぼ含まれており、その点では
イスラム社会をキリスト教社会の民主主義国家にする
戦略にも見えてしまい、結局は
宗教の侵略戦争
かと思ってしまいます。著者は宗教の問題は違うと否定しますが、本書にたった一言だけ
「私は熱心なカトリック信者だ。」
と述べているのですから。
どうやら、宗教について詳しく調べなければ......

著者: トマス バーネット, Thomas P.M. Barnett, 新崎 京助
タイトル: 戦争はなぜ必要か