日本での撮影を終えた高久ちぐさは
これよりインドへ向かうのでありました。


インド映画撮影日記題29章 インド上陸

じゃーん。

2007年5月22日。
その日は朝から胃が痛い。
今日、私はインドへ旅立ちます。

インド渡航に向け地球の歩き方やインド旅行記などを読むと

騙された
奪われた
噛まれた
下した

などの記載が多々あり
私の心をいっそう閉ざしていく。
家を出る際、母が
「生きて帰ってきてね」
などと嫌なことを言う。

成田からタイへ。
タイの空港があまりにも美しく
(近未来シティってかんじ)
滞在強く希望。
ならず。
またも飛行機に乗り込み
いざインドへ。

この飛行機、ゆれます。
隣に座っていた男性(インドの方)が話しかけてきた。
「日本人か?」
「日本人だ」
「俺も日本に行ったことがある」
「へぇー観光で?」
「いやビジネスさ」
彼は建築関係の仕事をしているらしく
ビルを建てたとゆうような話をしていた。
「君はインドに観光か?」
「いや、仕事だよ」
「どんな仕事だい?」
私が中学レベルの英語を駆使して説明していると
彼は眠ってしまった。

傷ついた私はコルカタ空港に到着。
即、入国審査で止められる。
入国カードの「滞在場所記入欄」が無記名だったのだ。
(ほんとは適当にでも書いておけばよかったのだ)
しかし、無知な私は馬鹿正直に「分かりません」と答え、
審査のオヤジはおっかない顔で「通さねえ」とゆう構え。
私の後ろに並んでいた人達が長期戦を予想したのか
わらわらと他の列に移動。

私はインドに仕事できたこと、映画に出ること
などを切々と語り、あげくの果てには
「私は女優です」を連呼。
はずかしい日本人代表!
オヤジはかわいそうな人を見るように私を見ると
深いため息とともにスタンプを押してくれた。

おそらく「こいつ面倒くせぇ」と思ったのだろう。
なにせただいま深夜2時。

とうとうインドに来てしまった。
カレーの匂いを感じつつ
到着ロビーへ向かう。