まささん、象のランプ。その後お部屋にマッチしましたか?
 黒田さんはいつもあのランプの下の定位置にて死んだように眠っております。
anmiaさん、おひさしぶり~。器用に見えて、器用。
  うふふ。そのままだね。



インド映画撮影日記第25章 煙の先の友

象のあかちゃん。

決死(?)の復讐を遂げたキヨテルはおつかれさま~
ってことでそそくさとわんわんランドへと帰っていきました。
(第24章参照)

続きましては先ほどの「木漏れ日&しあわせな日常」とはうってかわって母が亡くなった直後の悲しみMAXなシーンである。

薄暗い光差し込む静かな和室にはスモークがたかれ
全体を灰色が包んだような異空間。
悲しみとゆうものを空間で表現すると、
きっとこんなかんじ。
照明部さんの技、光ってます。

私は(ミヤゲちゃんは)その部屋の端っこで正座を崩したかっこうになり、この空気を感じつつ撮影開始を待つこと、
すでに2時間経過。

私の足はしびれを通り越して麻痺、とゆうか、自分の身体の一部ではなくなってしまったようなかんじである。

先ほどからカメラのアングルを決めかねている、
眉毛一本つながりのアネーと目が合う。

ちょいとそこの眉にいさん、
あたいのこの足、見てごらんなさいよ。
すっかり鉛だよ、鉛。
あーあ、これじゃ
使いもんになりゃしないよ。
どうしてくれんのさ?え?

とゆうような小芝居を想像しながらアネーを見つめる。

アネーは気持ち悪そうに目をそらすと小さな声で
「カメラ、オッケー」と言った。

撮影開始っ!と思いきや「ちょっと待った!」
とばかりに無洗赤ジャージのジョン(美術担当)。
手には一本の線香。
悲しみに暮れるミヤゲちゃんの顔の前を、
一筋の線香の煙が流れていく、みたいなことがしたいらしく、
試みるのだがなかなかうまくいかない。

「線香の一本じゃ足りないのでは?」
とゆう結論に達したジョンが取り出したのは束。
大束。

もはや発煙筒と化したその線香は
容赦なくわたくしの顔の前へ。

けっ、けむいっ。
大量の煙が私の肺を圧迫します。

大惨事の一部始終をレンズを通し目撃していたアネーが一言。
「チグサの顔が見えない。」

却下っ!

ジョンはおもむろに赤ジャーのポケットからタバコを取り出し
火をつけると私の顔の横へ。すかさずアネーがカメラチェック。
なるほど。線香の煙に見立てようってのね。ふむふむ。
つか、そのタバコ。どこ産?
くさいんですけど。

アネーはジョンに
「もっとチグサの方に(タバコを)近づけて」と指示。
タバコを持つジョンの手がどんどん近づき
私の顔、10cmの距離。
ねえ、これさー、カメラに写ってない?
そんな不安をよそにじりじりと距離を縮めるくさいタバコ。

「それ以上近づけたら殺す」
とゆう視線をジョンに向けつつ拷問に耐えていると
誰かが叫んだ。

「ペラペラペラペラっ!」(英語)

煙の先に見えたのは、毛。
あの毛はっ!

あの溢れんばかりの胸毛は
親友ラビーっ!(22章参照)

ジョンはばつが悪そうにタバコを私から遠ざけた。どうやらラビーが「あぶないじゃないか!」的なことを言ってくれたらしい。
さんきゅーラビー。二日酔いはもう大丈夫?

ラビーはさわやかな笑顔を投げかける。
私は、小さなノミになってラビーの暖かそうな体毛の中で
すやすやと眠りたいな~、
とゆう衝動を押さえつつ、ほほえみ返した。