お礼
「モップガール」を観て下さった方々から
またもコメントいただき、ほんとにありがとうございます!
これからもどうぞどうぞよろしくおねがいいたします。



インド映画撮影日記    第三章 「言葉の壁」
  
美容室兼スタジオを貸し切って、劇中で使う写真の撮影。
今後の撮影(in Japan)メイクのタカラちゃんとご対面。
彼女こそまさに苦労を共にした同士である。

スタジオには、監督はじめ、日本でのプロデューサーY氏。
そしてインド人数名。
助監督の二ランジョン(男。ごぼうみたいに細い)
ラインプロデューサーのアルカ(女。高いハムみたいに太い)
撮影助手のビグラム(男。丸めがね)
編集のラビー(男。けむくじゃら)
そして眉毛一本線のあの男。(第一章参照)
彼こそこの映画のカメラマン、アネーである。

わたくしはこの映画で18歳から45歳まで演じます。
(きびしいな18)
ですから、メイクや衣装(ダサイ)、表情や姿勢を変えながらパタパタと撮っていく。
タカラちゃんは大忙し。
なぜかサリーまで着て、、、。
どこで使うの?この写真。

そんなこんなで朝から始めた撮影も終盤をむかえ、
気がつくともうお昼過ぎ。
この後、撮影現場であるつくばへ移動なので
Y氏が飯どころを探しに敏速な行動。
タカラちゃんは荷物を取りに一時帰宅。

気がつくと、スタジオの中には私とインド人達。

監督と目があった!
私「‥‥‥(微笑み)」
監督「‥‥(微笑み)」
…きまずい。

英語のできるY氏がいないと意思疎通ができないよ。
大事だね。英語。
そういえば日本語のできるスタッフ(インド人)がいるって聞いたけど、その方はまだ到着してないみたいだし‥‥。
とりあえずお茶をすする。
インド人全員私をみる。
私、うすら笑いで対応。
あああ=やっぱ英語だよ!世の中は英語でまわってんだよっ!
勉強しとけばよかったなー英語‥‥。

「オナカ、スイタヨ」

ん?
「テンプラ、タベタイ」
天ぷら?
私「日本語できるんですか!?」
彼「ボクハ、ニホンニイチネンスンデタヨ」

おまえかーーーーーっ!

そう、彼こそ日本語のできるインド人、
二ランジョン(略してニラ)である。


その後も、とくにこれといって会話が盛り上がったわけでもないインド映画御一行は、Y氏が見つけたおしゃれな自然食レストランへ。お店を見つけるのも一苦労。
インド人はベジタリアンとノンベジに分かれていて、玉子すらだめという方も。
なにはともあれ飯だ飯だっ!てことで
Y氏は「若鶏の立田揚げ」
わたくしは「オムライス」
そしてインド人全員、
「しおこんぶチャーハン」
なぜ?
なにがそんなに魅きつける?

端から見ると何の集団だか分からない私達は、
ものすごい勢いで食う。
すると隣に座っていた監督が口からプッと何かを飛ばした。
ん?よく見るとしおこんぶチャーハンにはじゃこがはいっていた!
大変だーーー!!!
監督はチャーハンを口に含むと、
プップっとじゃこだけを器用に飛ばしている。
‥‥疲れません?


つくばへ向かう車内にてニラと話す。
ニラ「ケッコンシテル?」
私「してません」
ニラ「タバコスウ?」
私「吸いますよ」
ニラ「オサケ、ノム?」
私「のみますよ」
ニラ「カントクト、ネル?」
私「はい?」
ニラ曰く、インドの女優は監督と寝るそうだ。(やらしい意味で)
インドの女優のために言っておくが、
うそである。
ニラ「カントクと、ネル?」
しつこく聞くので「そのオファーはまだない」と答える。