今日は第9回洋上慰霊の日でした。
しかし、南風が吹き波が高く、出航を断念せざるを得ませんでした。



少しでも島に近づければ…との思いでおりましたが残念な結果になりました。

船長もこれまでも元島民の皆さんを見てこられているだけに、何とか…と、ぎりぎりまで海とにらめっこをしてくださっていました。
しかしながら、気圧も下がってくる中で安全を考え、誰にとっても苦渋の決断でした。


(髪の毛で風の勢いが伝わるかと…)

また、ご高齢の元島民の皆さんも参加される行事ということで前日にはPCR検査も行いました。
移動式PCRクルマが宮崎からやってきており、その場でその日のうちに検査がわかる!という優れものでした。

関係各位のご尽力に改めて感謝するものです。

予定を変更し、エトピリカ船内での慰霊式となりました。



祭壇に手を合わせたら涙が出てきた、という女性も。その涙と無念さは、単に今回の慰霊祭が欠航になったから、ではないものと思います。故郷への思い、故郷に眠る家族への思い、自由に行くことが叶わぬ悔しさ、現実の難しさを知るだけに胸につかえるもどかしさ、憤り。
様々な思いが駆け巡ってのことと拝察するものです。
そうした思いや姿を、私たちのような“かけはし世代”がしっかりと見て感じることは意義があるはずです。

切なく無念さひとしおの慰霊祭となりました。
しかしながらだからこそ、外交の重みを改めて胸に刻むものです。