○鈴木(貴)委員 質疑に立たせていただきます。鈴木貴子です。

 まず冒頭、私からも、日々そしてまた昼夜を問わずコロナ感染防止に御尽力をいただいている国民の皆様お一人お一人に対して、心からの感謝と敬意を表させていただきます。その国民の皆さんの努力というものが、間違いなく、地域の医療体制そしてまたエッセンシャルワーカーの皆さんの支えになっている、このことを皆様にも誇りを持っていただきたい。

 そしてまた、その感謝と敬意とともに、私もしっかりと、この政治へ、そしてまた本質疑も向き合ってまいりたいと思っております。

 まず、通告、ちょっと順番を変えさせていただきたいと思います。まず、総理と外務大臣に北方領土について質問をさせていただきます。  今度の日曜日、七日でありますが、北方領土の日であります。このコロナ禍という厳しい中で、まさにこの原点の地たる根室市も、住民大会、開催をどうするか、こういった様々な悩みがあった中で、しかしながら、規模を縮小してでもこの原点の地の光というものを消してはいけない、様々な知恵を出し合いながら、今年も開催を決定をいただきました。

 まさにその中には、原点の地の皆さんの、北方領土に対しての正しい知識を持っていただきたい、そしてまた、交渉に当たっていただく政府には、まさに交渉をしていただきたい、居丈高な発言をするだけの活動家ではなく政治家を期待しているんだと。私もよく地元の皆さんにも叱咤激励をされるものであります。

 そこで、まず総理にお伺いをさせていただきます。

 総理は、施政方針演説の中で、二〇一八年のシンガポールでの首脳会談のやり取りは引き継いでおり、これまでの両国間の諸合意を踏まえて交渉を進めますと述べていただいております。

 しかし、一部メディア、専門家、そしてまた、悲しいかな、政治家の中にも、これまではシンガポール合意と言っていた、合意が入っていないということで、日ロ関係、まさにこの交渉は後退をしているんじゃないか、こんな声を上げている方がいらっしゃいます。

 誤ったメッセージにもならないためにも、まさにこのやり取りという表現が後退なのか否か、事実関係、そしてまた交渉への姿勢というものを総理にお伺いをさせていただきたいと思います。

 

○菅内閣総理大臣 私が総理に就任をして、九月の日ロ首脳電話会談の際に、二〇一八年十一月のシンガポールでの首脳会談で、一九五六年宣言を基礎として平和条約交渉を加速させる、このことで合意したことを改めて電話の中で確認をしました。

 この際のやり取りは引き継いでおり、これまでの両国の諸合意を踏まえて交渉を進めていく、その考え方に変わりはありません。

 

○鈴木(貴)委員 ありがとうございます。

 総理、改めてちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、つまるところのこの合意をめぐるやり取りというのは、もちろんこれは外交交渉であります、外に出せないことの方が多いことと思います。その外に、対外的に出せない、ありとあらゆる日ロ間のまさに話合い、交渉の内容が含まれているという意味でよろしいでしょうか。

 

○菅内閣総理大臣 私が申し上げた中に、両国間の合意を踏まえてという話をさせていただきました。その中には、例えばこのシンガポールでの両首脳間の合意、このほかに、二〇〇一年のイルクーツクの声明や、一九九三年の東京宣言など、こうしたものが含まれている、このように思います。

 

○鈴木(貴)委員 ありがとうございます。

 これで間違いなく、これは後退ではない、しっかりと前に進んでいるんだ、現実的にしっかりと進んでいるんだということが、改めて今総理の口から御答弁をいただけた、このように力強く思っております。  ここで、この事実関係という関連なんですが、外務大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。

 ちょっと前の新聞なんですけれども、一月十二日付の朝日新聞の記事で、外務省のOBそしてまた現職幹部のやり取り、共同経済活動に関するやり取りというものが載っておりました。

 非常に、この中身を聞いていると、共同経済活動が厳しいというような話がかぎ括弧のような形で書かれているんですけれども、この記事にある発言というものは事実に基づいているものなんでしょうか。これは国益にまさに関わってくる、そういう思いがありますので、ここはしっかりと大臣から御答弁をいただきたいと思います。

 

 

〇茂木外務大臣 私も拝見しております。報道の逐一についてコメントすることは控えたいと思いますが。

 北方四島におけます共同経済活動については、その取組を通じて、北方領土問題の解決、そして平和条約締結につなげていくという考え方の下、ロシアとの間で何度にもわたって、また様々なレベルで協議を重ねてきている重要なプロジェクトでありまして、うまくいくかいかないか、こういう評論ではなくて、どうやったら実現できるか、こういう前向きな姿勢が必要なんだと思っておりまして、まさに鈴木貴子先生が強調される挑戦は力なり、そのように考えております。

 

○鈴木(貴)委員 ありがとうございます。  今の外務大臣の発言で私も改めて今思い返したのが、根室での皆さんとのやり取りの中で、茂木大臣が沖北の担当大臣だった当時、地元の皆さんとの意見交換の中で、元島民の皆さんが、この問題というものを地域の課題にしてはいけない、まさに国民活動にして、国民啓発をしていく、その上では、例えば、若いときからこの問題に触れていただく、その一環で、高校の入試に北方領土に関する問題というものを取り入れてほしいという要望をさせていただいたかと思います。

 そうしましたら、大臣が、すぐにこちらの東京の方に戻ってこられて、速やかに策を講じていただき、翌年度の入試の方には、全国でも、北はもちろん北海道、そして南は沖縄まで、入試に載せていただいた。

 今でも、元島民の皆さんを始め、地域の皆さんは、茂木大臣のリーダーシップと実行力というものに感謝をしているところであります。

 その中で、是非また改めてお願いをさせていただきたい。それは、例えば、昨年もそうなんですけれども、このコロナ禍ということで、いわゆるビザなし交流、墓参、そしてまた一般の訪問というものが、実は自由訪問が一回も開催ができませんでした。上空慰霊という形で、飛行機によって上空からの慰霊はありましたが、これは決して代替ではなくて特別の措置であるという我々は認識をしております。

 是非、もう平均年齢も皆さん八十五歳を超えていらっしゃいます、そういった中で、その元島民の皆さんの切なる思い、今年こそは何とも実現をしていただきたい。その思いに対して、外務大臣、どのように取組をしていただけますでしょうか。

 

○茂木国務大臣 質問の冒頭、鈴木委員の方から、三日後の二月七日に北方領土の日を迎える、こういうお話をいただきましたが、昨年の北方領土返還要求全国大会、私も出席をしましたが、ちょうどその会場の入口に元島民の代表の方、待っていてくださって、切なる思いを聞かさせていただいた。鮮明に、一年前のことでありますが、覚えているところであります。

 昨年九月の日ロ首脳電話会談におきましては、総理から、航空機墓参を始めとする元島民の方々のための人道的な措置を重視している、このことをしっかりプーチン大統領にお伝えをして、プーチン大統領からも、元島民のビザなし訪問の重要性を認識をしている、新型コロナが収束すれば再開する用意がある、こういう発言があったと承知をいたしております。

 また、昨年十月の私とラブロフ外相との会談におきましても、航空機墓参を含みます四島交流等事業について前進を図るべく協議を進めていきたいということで一致をしたところであります。  新型コロナの状況、これを見極める必要がありますが、元島民の皆さん、平均で八十五歳、高齢になっているのは確かでありまして、そういった中で、四島交流事業の重要性に鑑みて、できる限り早期に事業を実施していきたいと思っておりますし、航空機墓参の実現、そして臨時の追加的な出入域地域の設置、アクセスが制限された地域への訪問といった元島民の方々が御要望いただいていることについても是非実現したい、このように考えております。

 

○鈴木(貴)委員 ありがとうございます。大変前向きな力強い御答弁をいただいて、元島民の皆さん始め隣接地域の皆さんも大変安心をしていただけることと思います。

 最後に、総理に改めてお伺いをさせていただきます。

 今年は、先ほども総理の御答弁の中にもありましたが、日ソ共同宣言、五六年宣言からちょうど六十五年という節目の年でもあります。そういったその節目の年、是非とも、一歩でも、いや半歩でも、この問題を動かしてほしい。元島民の皆さん、そして、今その活動を支えていただいている二世、三世、今では四世の皆さんもいらっしゃいますが、一歩でも半歩でもという切なる思いがあります。そこには、地域経済の厳しさ、日ロ交渉、日ロの外交のしわ寄せというものは、実は永田町でも霞が関でもない、根室に、そしてまた北方四島隣接地域に、まさにしわ寄せがやってきている。それは水産漁業一つを取っても明らかであると思っております。

 そういった地元の皆さんの思いを踏まえて、総理から、この北方領土問題、平和条約締結に向けた力強い意気込みというものを改めてお聞かせいただければと思います。

 

○菅内閣総理大臣 今御指摘いただきましたように、領土問題は、水産業も含めて地域経済にも影響するものと認識をしています。

 地元関係者の皆さんの声は、総理就任後、昨年十一月の政府要請や十二月のアピール行動の際に直接伺ってきたところであり、御高齢になられている島民の皆さんのふるさとへの強い思い、私も共有をさせていただいています。

 今後も、様々な機会を活用して、そうした皆様方の思いを胸に、北方領土問題解決に向けてひたむきに取り組んでいる、そうした多くの皆さんの思いというものを力にして、私も、半歩でも近づくように、全力で頑張ってまいります。

 

○鈴木(貴)委員 ありがとうございます。大変、総理の御自身のお言葉で、力強い御答弁をいただいたと思っております。感謝申し上げます。

 続いて、コロナ関連でありますが、いわゆる望まない孤独問題について何点か質問をさせていただきたいと思っております。

 この新型コロナによってまさに生活が様変わりをいたしました。それは、テレワーク等々のプラスの面もあったかと思いますが、やはりマイナスの影響というものもどうしても出てきているのではないのかなと思っております。

 例えば、二〇二〇年の年間自殺者数の速報値二万九百十九人、実に十一年ぶりに増加に転じたところでもあります。自殺が増加、これは、自殺に至らなくとも望まない孤独で苦しんでいる方というものはまだまだいらっしゃる、そういった人たちにこそ光を当てるのが私は政治の責任だ、このように思っております。

 総理も、二十五日の予算委員会で、牧島先生の御答弁に答える形で望まない孤独についても触れていただきましたが、総理がおっしゃいましたこの望まない孤独というのは、どういったケース、イメージをされていらっしゃるのか。  そしてまた、この望まない孤独の問題、相談体制という事後対応への強化というものももちろん必要だと思いますが、私は、やはり根本へのアプローチ、望まない孤独で苦しんでいる皆さんをいかに一人でも減らしていくか、そういったアプローチが必要だと思っておりますが、こういった根っこの問題にアプローチをする必要性について、総理はどのようにお考えでしょうか。

 

○菅内閣総理大臣 そもそも社会全体のつながりが希薄化している中で、また新型コロナによって人と接触する機会が減少してきている、そういう中で、一層問題も顕在化してきているというふうに思います。

 いろいろなケースがあるというふうに思います。子供や若者などが、家で過ごす時間が増えたが家族と心を通わすことができないという中で、居場所が感じられないとか、あるいは、独り暮らしの高齢者が、通いの場の活動が自粛されていますので、地域とのつながりがなくなってきている、あるいは、大学生、大学入学後にオンライン授業が続いて、友人やコミュニティー、こうしたものから隔離されてきている、いろいろな孤独というものがあるというふうに思っています。

 ですから、国として一定の定義で対応していくというのは、ここはやはり避けるべきじゃないかなというふうに思います。

 そういう中で、政府としては、孤独につながるリスクへの対応、これについて、SNSの活用も含めて相談体制を確立するとともに、早期に、かつ予防的な対応を進める、このことが大事だと思います。

 自治体において住民同士が支え合う地域づくりや多様な社会参加を進める包括的な支援体制の整備、こうしたことを政府が支援をしていくとか、こうした取組を通じて、人それぞれがやはりきずなで結ばれるという、そうした社会をつくり上げていく、またそうした環境を政府が応援していく、こういうことが大事だというふうに思います。

 

○鈴木(貴)委員 定義というのは、やはりこれは個々人の感情の問題でもあるし難しいという、これまでの考えというものもよくよく承知をしております。しかしながら、今これだけ自殺者数も増えている、また、うつであるとか、ドラッグ、アルコール、こういった依存症も増えてきているという中で、やはり何らかの、今までの概念にとらわれない新しい取組というものも私は必要だと思っています。

 今、総理の御答弁を聞きながらも、例えば、まち・ひと・しごとのところでRESAS、地域経済分析システム、例えばここの部分に孤独に関する指標を一つ入れ込むことによって、新たなまちづくり、新たな地方創生の在り方、こういったものも出てくるのではないのかなと、逆に改めて今感じ入ったところであります。

 定義というのは非常に難しいと思いますが、是非とも、総理も御答弁をいただいた望まない孤独対策を引き続きよろしくお願いをしたいと思います。

 そこで、今もSNSの相談強化ということも総理も言っていただきましたが、文科大臣に質問をさせていただきたいと思います。

 今、自治体で実施をされている相談窓口の多くというものは、実はこれはSNSであります。特にLINEといったものを使われているところが多々あるわけでありますが、実は今回、一人一台端末ということで、タブレットが子供たちに、児童生徒に貸与されるわけでありますが、番号が振られていないがゆえに、もちろんLINEは使えない。しかしながら、この一人一台端末を与えるというメリットを最大限生かすためにも、こういった部分で、例えば、二十四時間三百六十五日、子供たちがSOSを発信したいときに、そのタブレットを使って相談できる、SOSを発信できる、そういった何かツールというものをデフォルトで埋め込んでいただくということはできないでしょうか。大臣の見解を伺いたいと思います。

 

○萩生田国務大臣 児童生徒が自ら命を絶つということは本来あってはならないことであり、文科省としても、実態として自殺が起きていることを大変重く受け止め、悩みを抱える児童生徒の早期発見等に向けた取組を行っております。

 また、現在、文科省においてはGIGAスクール構想を推進しているところでありますが、ICTを活用した相談体制の整備による自殺対策も重要なことだと認識しております。

 このため、令和三年度の政府予算案におきまして、SNS等を活用した相談事業の全国展開に向けた予算を計上しているところですが、今先生から御提案のあったICTを活用した効果的な自殺対策の検討も必要だと思います。  例えば、GIGAスクール構想で整備する一人一台端末を利用して相談窓口にアクセスしやすくするなど、児童生徒が必要なときに容易かつ迅速に相談できるようにすることなども考えられます。

 引き続き、関係省庁と連携しながら、検討してまいりたいと思います。

 

○鈴木(貴)委員 大臣、ありがとうございます。  今回、私、質疑に立つので、先ほど改めてちょっと文科省のホームページも拝見をさせていただきました。子供の相談窓口のところなんですけれども、全ての言葉に振り仮名、ルビが振ってあるんです。しかしながら、言葉が非常に堅いんですよ。下記のようにお知らせします、そしてまた、相談のところも、法務局、地方法務局はこちら、また、各教育委員会が設置している相談窓口はこちらというような書きぶりなんですね。

 ルビは振ってはいただいているけれども、なかなか子供にはこれじゃ届かない。もっと言えば、悩んでいる、苦しいという子供には、これではなかなか、大人や社会が僕、私のことを見てくれているとは思えないのじゃないのかなと思った次第であります。

 是非、大変お忙しいと思いますが、大臣も御自身の目で一度ホームページを見ていただき、適切な指示というものをしていただけますことを強く期待をさせていただきます。

 続いて、厚労大臣に質問をさせていただきます。  時間が若干押しておりますので、ちょっと質問を飛ばさせていただいて、自殺とメディアの報道のところでありますが。  例えば、今年、先ほど来から自殺が増えているということも申し上げましたが、とりわけ、芸能人、著名人の方が自殺をされると、いわゆるウェルテル現象、ウェルテル効果というもので自殺者数が増えていると言われております。九月の例でありますが、女優さんが自殺をされた日、影響を受けて増加した可能性のある自殺者、実は十日間で二百六・九人という試算が出ております。  この報道の在り方なんですけれども、実際、WHOのガイドライン、厚労大臣からも、また官房長官の記者会見でも、マスコミの皆さんに対して丁寧にお願いをしていただいたかと思いますが、私は、正直申し上げて、メディアの皆さんにはまだまだ協力をしていただける。これは決して上からの圧力ではなくて、この状況、まさに自殺対策基本法でも、自殺は個人の課題ではない、社会課題なんだ、これをまさに基本理念にも組み込んでいるところであります。

 是非とも、厚労省が中心となって、メディアの皆さんにも働きかけをしながら、一緒になってこの自殺報道の在り方というものをいま一度検証していただけないでしょうか。

 

○田村国務大臣 委員おっしゃられるとおり、WHOの方でも、自殺報道というのが自殺を誘引するといいますか、そういう影響、これを言っておるわけでありまして、そういう意味では、私も記者会見で、自殺報道に関しては、これはガイドラインがありますので、こういうものを遵守していただきながらやっていただきたいというふうにお願いをさせていただきました。  命を支える自殺対策支援センター、こちらも共に、自殺報道に対して、二百四十、メディアがありますけれども、こういうところにしっかりと物を言っていただいておりまして、日本記者クラブ、ここでも、十一月だったと思いますけれども、再度お願いをしていただきました。

 そういう意味では、ある程度、今、報道も、その後、こういうところに、悩みがある方は御連絡をしていただきますようにみたいなことをやってはいただいているんですけれども、どうしても、メディアもいろいろな取り上げ方があるものでありますから、そういうものを見て自らの命を絶たれるというような悲しい出来事も起こっておるやという形でございますので、再度、我々、もう本当に自殺は個人の問題ではなくて社会全体の問題だというふうに捉えて、本当にそういう問題の意識で、国の責任として、自殺対策、メディアに対しての報道の在り方、こういうものを再度お願いをしてまいりたいというふうに考えております。 ○鈴木(貴)委員 大臣、是非、お願いもそうでありますが、相互に協調していく、共同していくというスキームが必要なんだと思います。

 大臣の方からも、官房長官の会見でも、丁寧に丁寧にマスコミに対してガイドラインの説明をしていただいた。しかしながら、その報道をしている間、相談の窓口をずっとテレビ上でワイプで出している、逆にそれが免罪符のごとし、だからこそ二十分も三十分も繰り返し報道が続いている。これはゆゆしき事態だ、このように思っております。  社会全体でこの痛ましい事案というものを防いでまいりたいな、このように思っております。  続いて、防災・減災の問題に移らせていただきたいと思います。

 総理も、官房長官時代から、ダムの一元運用等々で防災・減災対策にもまさにリーダーシップを発揮していただき、実績も上げていただいております。国民の皆さんも、国土強靱化を始めこの防災・減災対策、非常に期待をしていることと思います。

 そういった中で、災害関連死について総理の見解を伺わせていただきたいんですが、実は、平成の約三十年の間、災害関連死、本災、地震等々、津波からは命が救われたにもかかわらず、例えば避難所等で命を落としてしまったいわゆる災害関連死、実は五千人いらっしゃいます。

 私は、この救い得た死、災害関連死をゼロにする、こういったことを掲げて今後様々な取組を進めていきたいと個人的に思っているわけでありますが、例えば、この間の熊本地震、災害死五十名に対して災害関連死二百二十名であります。この数が多いか少ないか、もちろんこれは判断できませんが、総理、この災害関連死、どのように受け止めていらっしゃるでしょうか。

 

〇菅内閣総理大臣 災害時には一命を取り留めることができながら、その後の避難生活を送る中で命を失う、このことは御家族にとって余りにも切なく、つらいことだと思います。

 災害関連死として亡くなる方を一人でも少なくするために、政府としては、避難所に関するガイドラインの作成や財政支援、プッシュ型支援など避難生活の環境改善を図るとともに、見守りや組織など、被災者に寄り添う取組への支援を引き続き行っていきたいと思います。

 今後とも、過去の災害における知見などを生かし、自治体、関係者と連携して取り組んでいきたいと思います。

 

○鈴木(貴)委員 やはりこれまでの、東日本大震災からもまさに節目の年を今年迎えるわけでありますが、これまでの教訓をいかに我々は糧にして、教訓として学びを得てきたのか、こういったことがまさに問われている、そのように思います。

 そこで、男女共同参画担当大臣に伺わせていただきたいと思います。

 近年、この防災、まさに避難所の質を向上するという上でも、多様性というものは一つのキーワードだと思っております。いわゆる災害弱者の皆さんにこそ基準を当てた避難生活、また避難所というものが求められている。

 新しい男女参画カの中で、防災、危機管理部局との連携をした新しい取組があると伺っておりますが、その取組はどのようなものでしょうか。

 

○橋本国務大臣 お答え申し上げます。

 大規模災害の発生は全ての人の生活を脅かしますけれども、中でも、人口の五一・三%は女性でありまして、女性と男性が災害から受ける影響の違いなどに十分配慮しなければいけないというふうに思っております。

 とりわけ、委員御指摘のように、地方防災会議への女性の参画は重要であると考えております。地方防災会議には、女性が参画することにより、避難所の運営、物資の提供、女性の視点が盛り込まれることによって、女性や子供のニーズ、課題に的確に対応できるというふうに考えております。  例えば、災害時には保護者や大人が災害対応に追われて子供たちに目を向けるということがなかなかできなくなってしまっている、そういったところで、災害の怖い記憶ですとか、慣れない生活、そして伸び伸びと運動できないということ、こういったことは大人よりも子供の方に大変影響をしている、こういったことをしっかりと見ることができるのは、やはり女性の視点だというふうに考えております。

 昨年十二月に閣議決定した第五次男女共同参画基本計画では、こうした認識の下に、成果目標として、令和七年度までに地方防災の会議の委員に占める女性の割合を三〇%にするということ、また、地方防災会議においては女性のいない組織をゼロにするということ、こういった目標を掲げて、今、地方自治体に対する要請や好事例の展開などもしっかりやっていきたいというふうに思っております。

 

○鈴木(貴)委員 最後の質問となると思いますが、私自身、ライフワークとして取り組んでいるのが、日本海・千島海溝沖地震であります。

 三大地震といえば、首都直下型、そしてまた南海トラフ、どうしてもこの日本海・千島海溝沖地震が取り残されてきた。そういった中で、積雪寒冷地ならではの在り方、また対策というもの、非常に極めて重要だと思っております。  二〇一九年には、当時の官房長官だった菅長官の元にも、また武田前防災大臣の元にも、首長の皆さんをお連れをして要請をさせていただきましたが、是非ともこの千島海溝沖地震対策、ここへの支援の強化というものを、地元も期待をしておりますが、大臣の今後の意気込みも含めて、是非見解を述べていただきたいと思います。

○金田委員長 時間が来ておりますので、簡単によろしくお願いをいたします。

○小此木国務大臣 言われましたように、日本海溝、千島海溝沿いで想定される巨大地震の防災対策の推進については重要であると考え、今おっしゃいました菅官房長官時代あるいは武田防災担当相、私が今務めておりますけれども、多くの様々なことを聞いております。

 特に、複合災害とも言われる中、今コロナ対策で皆さんにもお力をいただいておりますけれども、この中で、寒冷そして積雪、非常に心配されるところの会議は、様々な専門家の皆さんの意見も伺いながら、あるいは地元御出身の議員の方のお話も聞きながら、対策を集中して進めているところでございますので、また御指導いただきたいと思います。

 ありがとうございます。

 

○鈴木(貴)委員 ありがとうございました。