胸きゅんな冴羽さんのナゾ | 仕事とマンガと心理学

仕事とマンガと心理学

心理カウンセラーが語るマンガと小説についてのブログです。
心理学でマンガをみるとオモシロいので、それを伝えたくて
ぐだぐだお送りしますので、楽しんでくださいね!

こんにちは、プロフェッショナル心理カウンセラーの織田です。

 

昨日、「映画楽しみ!」と

シティーハンターの事を書いたら

コメントいただきました!

ありがとうございます。

 

で、そのコメントが面白かったので

今日はシティーハンターです。

 

 

シティーハンターの主人公、冴羽 獠さん

とっても2面性のある人で

表裏がある・・・が善い人と悪い人、という二面性ではなく

あの3枚目と2枚目の入り混じった感。

 

ここにキュンキュンしている方って

多いのではないでしょうか。

 

これは何の投影なんでしょうね?

 

冴羽さんという人は

結構壮絶な成育歴を持った人で

幼少期、飛行機事故で親と死に別れ

ジャングルをさまよっていた時に

ゲリラ兵の村で拾われ

幼いころから「兵士」として育てられた、と

マンガでは読んだ記憶があります。

 

その割には、とっても感覚が

優しくて普通。

きっと、過酷な状況の中でも

大事なことは教えられてきたのでしょう。

 

ああ見えて?

人を大事にするんですよね。

孤独はあっても荒れた感じはあまりなくて。

 

二面性は、ペルソナとシャドウの組み合わせ。

普段の「顔」はペルソナ=仮面

そして、戦闘時に見せる鋭い顔=シャドウ

日本の都会では本来ありえない

「獣」の顔が、冴羽さんの隠された素性なのです。

 

で、そこにキュンとするのは?

 

実は、意外性やギャップというものは

案外人のココロを揺さぶるもの。

普段おとなしい人が怒りをあらわにするとか

普段怖い人が一瞬気弱な顔を見せるとか

大きなギャップは強い印象を人に残します。

 

大きなギャップは、「ペルソナ」という普段人に見せている

「この人はこういう人だ」という印象を

よくも悪くも裏切るものです。

人の脳は、「いつもと同じ」にはさほど関心を寄せませんが

「いつもと違う」には警戒心が働き

注意力が喚起されます。

だから強く印象に残る。

 

それが、見ている人にとって好ましいものであれば

最初から強くてさもありなん、と思っている人のファイティングよりも

普段はすごくおちゃらけているのに、いざとなったら強くてかっこいい!となれば

ギャップ効果でアピール力は増大するのです。

 

特に、「いつもとは違う顔」という事に

「自分にだけ見せてくれる顔」とか

「特別な時だからこそ」なんていうオプションがつけば

更に効果が増すのですね(笑)

 

シティーハンターを読んでいる女子たち?は

多かれ少なかれ、依頼者の女性に共感したり

投影しながら読んでいることが多いでしょう。

そう、シティーハンターは冴羽さんのかっこよさとか

派手なアクションも面白いのですが

登場人物たちのココロの動きが細やかに描かれていて

物語に奥行きと深みを与えています。

 

「いつかすごく素敵な人が私を助けに来てくれる」という

女性が抱きやすい願望を

冴羽さんはマンガの中で実現してくれているのです。

 

だから、読者が感情移入できない依頼人だと

余り面白く感じないわけです。

 

つまり、冴羽さんの二面性にキュン!とするのは

実は、読み手が「依頼人」になっているからなのですね。

 

やや品の悪いところもありますが(笑)

王子様が助けに来てくれた・・・みたいな

シチュエーションでしょうか。

 

で、この王子さまが、これまたガラのあまりよろしくないお姫様を連れて

闘いに来てたりするんですけれど

何があってもこのお姫様に忠誠を誓っている風な感じも

また、よろしい。

 

変わらないココロというのは

オンナゴコロにはたまらない宝物。

 

そういうことがあるのねえと思えるだけでも

結構幸せになれたりするんです。

 

そうかー、冴羽さんにキュンキュンするのは

女の子だからなのねーと思いつつ

 

でも、こういうのって分析するより

やっぱり読んでた方が楽しいですね♪