『イマジナリーフレンドが側にいて、そして大人になっていくんだなあ』from ヒカルの碁 | 仕事とマンガと心理学

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心理カウンセラーが語るマンガと小説についてのブログです。
心理学でマンガをみるとオモシロいので、それを伝えたくて
ぐだぐだお送りしますので、楽しんでくださいね!

こんにちは、プロフェッショナル心理カウンセラーの織田です。

 

今日は、少年が成長する物語。

 

 

「ヒカルの碁」

 

碁、なんてものが

少年ジャンプに登場するとは・・・!という驚きで

思わず読み始めたら

すごく面白かった作品。

 

これは、かなり等身大の少年達の物語です。

 

私は、アイディアというところに所属する

心理カウンセラー・メンタルトレーナーなのですが

このアイディアの代表の浮世満理子が監修する

プログラムが今度テレビで登場!

 

フジテレビ系列で11/25(土)14時より放映予定の

いただきハイジャンプ」という番組です。

 

この番組では、前々から子ども達の「苦手克服」をテーマに

いろんなチャレンジをしていますが

この苦手克服テーマのときに

どうしていけば苦手克服をしていけるかという部分を

カウンセリング・メンタルトレーニング的に

浮世が監修しているのです。

 

何かを乗り越えていく子どもの姿が

すごくいいので、

私もけっこう見入っちゃいます。

 

で、ヒカルの碁。

これが、少年の成長物語で

やっぱり、いただきハイジャンプに出てくる子どもたちのように

かなり目が離せない展開なんですが

私が今回ご紹介するのは

少年の成長物語と語られている中の

心理的なある「特徴」だったりするのです。

 

別に何てことなく日々を暮らしている

小学生のヒカル君が、

ふとしたことで、

平安時代の天才棋士・藤原佐為(ふじわらのさい)の霊に出逢い

碁に出会い、碁を打ち始め

「神の一手」をめざす物語。

 

というと、けっこう荒唐無稽っちゃ荒唐無稽なんですが

リアリティがあるのは

ヒカルが決して優れた小学生として

登場していないこと。

 

ゲームが好き、勉強キライの

ふつーの小学生。

ご?とひらがなで聞いちゃうような。

 

それが、碁盤に憑りついていた佐為に出逢うことで

人生が変わるんですよね。

 

人ならざるもの、超自然的なものに出逢って

人生が変わるとき。

「イマジナリーフレンドが力になり

イマジナリーフレンドを乗り越えていく」という成長の過程。

 

これはとても興味深いのだけれど

そこにもう一つ、大事な要素があって

それは、変化していくための内側から湧いてくる努力。

自分と違うものを受け入れていく柔軟性です。

 

例えば、ピーターパンに出逢った

ウィンディは

ピーターパンに出逢って冒険はしたけれど

だからと言って人生が変わったわけじゃない。

ウィンディは、超自然なものに出逢ったけれど

自分が変わろうとはしなかった。

(これは、変わった方がよいとかなんとかいうことじゃないですよ)

 

ヒカルは、佐為に出逢い

全然興味のない碁に、それでも付き合おうとして

その中でだんだん変わっていきます。

それまで知らなかった「真剣さ」というものと向き合い

自分もそうやって生きていこうとしていく。

 

よく、誰もが何かの才能を持って

生まれてくるって言いますよね。

でも、自分が何の才能を持っているかなんて

さっぱりわからないし、ヒントもあまりない。

 

だから、出逢ったものをきっかけにして

自分が興味を持つか

自分が磨いてみるか

努力したり乗り越えたりしていくうちに

わかってくるものだと思うのです。

 

だって、ヒカルが碁の才能を持っているなんて

多分、佐為との出逢いがないと

絶対にわからなかっただろうし

それをきっかけに自分で興味を持って

自分なりに碁をやってみて

魅力を見つけて、頑張ってみることにして

そうやって、ヒカルは成長していく。

 

物語の後半、佐為がいなくなるのは

彼にはもう、佐為という「イマジナリーフレンド」が

いらなくなったからなんじゃないかな。

 

イマジナリーフレンドというのは

子どもがある程度の年齢の間にもつ

空想上の友達のことで

 

空想上ではあるんだけれど

子どもにとっては現実そのものでもあり

ヒカルは年齢がちょっと上だけれども

佐為は、まさしく「イマジナリーフレンド」で

自分がつらい時に支えてくれたり

新しい可能性のきっかけになってくれたり

あれこれ話し相手にもなってくれる。

 

そして、彼が本当に自分の足で歩けるようになった時に

佐為は姿を消します。

そして、そのあとは全く気配も見せず

ヒカルは、ココロの中で佐為に話しかけながらも

今までと違って返事もなにもないことに

寂しさを感じつつも、

それに引きずられることもなく

前進しつづけていく。

 

子どもが必要なときに

側にいてくれるイマジナリーフレンド。

でも、ちゃんと時が来ればいなくなり

子どもは大人へと成長していく。

 

そういう意味で、ヒカルの碁という物語は

心理カウンセラーとしても

とても興味深い物語。

 

読んだことがある人は多いと思いますが

イマジナリーフレンドっていう

キーワードで読み直してみると

また面白い発見があるかもしれません。

 

ところで、

こういった心理に絡めたマンガやアニメの話が

お好きな方は、良かったら

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「君の名は」ほか、いろんなアニメに絡んだ

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