『あくまで役割完璧ですから』 from 黒執事 | 仕事とマンガと心理学

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心理カウンセラーが語るマンガと小説についてのブログです。
心理学でマンガをみるとオモシロいので、それを伝えたくて
ぐだぐだお送りしますので、楽しんでくださいね!

こんにちは、プロフェッショナル心理カウンセラーの織田です。

 

これも連載中のマンガだなあ。

 

 

「黒執事」

 

このマンガのヒットの後ろにも

先日の「エマ」のように

執事ブームがありますかね。

 

メイドとか執事とか

「仕える」がいいんですかね。

これが好きな人たちは

仕えたいのかな?

仕えられたいのかな?

 

忠誠心とか捧げるとか

尽くされるとか?

うーん、「したい」より「されたい」でしょうね、やっぱり。

 

それはともかく

この作品、ある大金持ちで天才的でトラウマ持ちのおぼっちゃまに仕える

悪魔が主人公のマンガです。

おぼっちゃまは、代々英国王室のため(パラレルワールドです、念のため)

暗闇を生きる家の当主。

王室のために「汚れ仕事」を請け負うのが

裏の仕事なんだけど、本業。

表向きには、玩具・製菓・化粧品の一流メーカーで

そこの社長ですね。12歳ぐらいなのかな?

 

天才。

美少年。

トラウマもち。

そして、悪魔憑き。

舞台は完璧。

 

そして、悪魔。

セバスチャンと呼ばれていますが

まあ、本性は悪魔なので仮名でしょう。

 

「私はあくまで執事ですから」が決め台詞ですが

この「あくまで」が「悪魔で」に

ひっかけてあるところが

うひょーともだえるポイントの一つでしょう。

 

私がこのマンガが好きなのは

全編に流れる「乾いた」空気感。

かなり絵の上手な方で

美人も不細工も描き分けられる画力で

暴力シーンも戦闘シーンも

迫力あって、マンガとしても美しい。

叙情性も豊かで

人間の両面をしっかりドラマとして

描いているように思います。

 

でも、なんていうのかなあ

適度に物語は凄惨で悲しくて

余韻もいいんですけれど

どれだけ人が死んだからと言って

だからどうなんだっていう

乾ききったところが

ニヒリズムな感じですごくいい。

 

悪魔のセバスチャンも

身を挺しておぼっちゃまのウイルを守り

ウイルの命令を遂行するんだけれど

いざとなったら

ためらいもせずに

あっさりとウイルの命をさらっていく感じがあって

これが、とっても悪魔っぽくていいんだなあ。

 

それまで、それこそ存在賭けて

守っていたんじゃないか?と

人間達にがんがん非難されそうだけれど

それこそ

「私はあくまで執事ですから

あるべきように行動します」かなんか

言い放ちそう。

 

こうしてみると

人間らしいって、湿っているんですよね。

涙が出ると、ますます湿る。

でも、それは決して悪いものではなくて

何となくそれが優しくて。

 

でも、どこまでも乾くことに

人はときどきあこがれるのかもしれない。

しがらみなんか全て笑い捨てて

からからに乾いてしまうことを

望んでしまう瞬間があるのかもしれない。

 

それが、悪魔の時、なのかもしれません。

 

この作品は、色々と人物分析なんかすると

おもしろいなあと思っていたので

そのうち、やってみたいと思います。

黒執事エゴグラムなんて

すごくおもしろそう♪♪

 

ところで、ところで

アニメになっていたんですねえ。

あまり観たくないデスねえ。

しめっぽくなっていないといいんだけれど。